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1)目的
本講義の目的は、法とは何か、法が目指す社会的正義とは何かについて理解してもらうことにある。
2)概要
本講義においてはいわゆる六法科目(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)のうち主要三法といわれる憲法・民法・刑法を講義対象とする。
講義スタイルとしては伝統的な講義スタイル(担任者が受講者に対して解説するスタイル)を主としつつも、受講生自身に考えてもらう時間を設けることとしたい。
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@当該科目の全体構造を理解した上で個別的テーマを検討することが重要であると考えているので、いきなり個別的テーマに入るのではなく各科目(憲法・民法・刑法)の全体構造についても相当程度の時間を割いて解説していく。
A個別的テーマを検討する際、本講義では判決文を素材とする。個別的テーマの検討を通して法とは何か、法が目指す社会的正義とは何か、を具体的に考えていくことにする。
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定期試験を最重要視する。そのため、出欠をとって出席した者に加点する、レポートを課してレポート提出者に加点する等の措置は一切しない。即ち、定期試験の点数に一切の上乗せはしない(なお、以下の通り定期試験の点数が減点されることはありうる)。
本講義では、理由の如何を問わず私語を交わしたり、携帯メールに勤しんだり、他教科の予習等内職をしたり、講義時間を睡眠時間としたり、教室から途中退出する行為等、担当教員が講義秩序を乱す行為をなしていると判断する者に対しては即刻退出もしくは以後の受講を厳禁する等の措置を講ずるのはもちろん、定期試験の点数から減点することになるので講義秩序を乱す行為をなした者は定期試験で合格点に達していても結果的に60点未満の点数になることがありうる。
(参考・平成18年度全体成績)
80〜100点:23.9%(209名中50人)
70〜79点:37.8%(209名中79名)
60〜69点:30.6%(209名中64名)
60点未満:7.7%(209名中16名)
☆以上の数字はあくまで参考データに過ぎない。(公表した内容なので既に承知している諸君もいるかもしれないが)前年度は大甘の評価に終始したというのが(試験を実施した側からの)偽らざる実感であり、今年度は必ずしも前年と同様の結果になるとは限らないことを事前に公表しておく。特に、昨年度の受講生諸君の情報にのみ依拠していると大変な不利益を被ることになりかねない。本シラバスを熟読の上、本講義を受講すべきか否かを自己責任の上で慎重に判断してもらいたい。 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『岩波コンパクト六法、2007年版』(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の条文がのっている書物のこと。必ずしも指定の六法でなくても構わない。本書(=教科書1)は開講日(=第1回講義日)に必ず持参のこと。なお、最新版=平成19年版(2007年版)を用意すること。) |
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岩波書店 |
『憲法概説(再訂版)』 |
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司法協会 |
『新訂民法概説(三訂版)』いずれも、高度な内容を極めて平易な文章で述べた優れたテキストである。著者名は明らかになっていないが、実務家(裁判官)が書いたものである。なお、これらのテキスト(=教科書2、3)については開講日(=第1回講義日)以降に入手する方がのぞましい。というのも、出版社の司法協会が現在内容の補正作業を行っている関係で諸君が購入しようとする時期に入手できない可能性があることと、講義で教科書をどのように使用するのかを聞いた上で購入したい人もいるであろうと思われるからである。 |
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司法協会 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『憲法』 |
芦部信喜(高橋和之・補訂) |
岩波書店 |
『憲法』 |
佐藤幸治 |
青林書院 |
『民法講義』 |
我妻榮 |
岩波書店 |
『民法』 |
内田貴 |
東京大学出版会 |
『刑法綱要総論』 |
團藤重光 |
創文社 |
『刑法綱要各論』 |
團藤重光 |
創文社 |
『刑法総論講義』 |
前田雅英 |
東京大学出版会 |
『刑法各論講義』 |
前田雅英 |
東京大学出版会 |
以上は参考書であるので購入する必要はない。購入しなくても講義を聴講するにあたっては特段の不都合はない。 |
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回 |
項目 |
授業内容 |
1 |
開講にあたって |
講義のやり方、成績評価の詳細について |
2 |
法学入門 |
死刑制度の是非、永山事件第一次上告審判決(最判昭和58年7月8日)の検討 |
3 |
憲法@ |
憲法の全体構造 |
4 |
憲法A |
事例研究 |
5 |
憲法B |
事例研究 |
6 |
民法@ |
民法の全体構造 |
7 |
民法A |
事例研究 |
8 |
民法B |
事例研究 |
9 |
刑法@ |
刑法の全体構造(構成要件、違法性) |
10 |
刑法A |
刑法の全体構造(責任、処罰阻却事由) |
11 |
刑法B |
事例研究 |
12 |
刑法C |
事例研究 |
13 |
最終講 |
試験を実施する本質的意味とは?−試験を実施する立場から− |
14 |
☆講義計画は種々の事情で変更されることがありうるので、予定通りに講義が行われるとは限らない。 |
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