薬物治療学研究室

  1. HOME
  2. 教育
  3. 研究室一覧
  4. 薬物治療学研究室

研究テーマ脳と精神と行動に関する障害の治療法に関する研究、酸化ストレス疾患の病態解明に関する研究、上皮細胞の活動機構に関する研究

脳と精神と行動に関するさまざまな障害の原因・予防・治療・ケア等について、臨床医学及び薬物治療学的観点からの臨床研究と、ラット等を用いた神経科学的研究を、並行して行っている。現在取り組んでいるのは、1) 睡眠に関する神経科学的研究、2) 依存に関する神経科学的研究、3) 抗精神病薬に関する臨床研究である。また、当研究室では、4) 肥満・糖尿病合併症を含め種々の酸化ストレス疾患の病態解明ならびに予防法の確立を目指した研究、5) 胃や腸の粘膜細胞の機能に関する細胞生物学的研究も並行して行っている。

キーワード

脳、精神、睡眠、依存、嗜癖、抗精神病薬、糖代謝異常、肥満・糖尿病、チアミン誘導体、フリーラジカル、上皮細胞、粘液開口放出、脂質異常症、小腸脂質吸収機構

配属学生

大学院生 0名
学部学生 6年次生:14名、5年次生:17名、4年次生:16名

スタッフ

松村 人志
松村 人志
教授 / 医学博士
担当科目
特別演習・実習(6、5、4年)、病態・薬物治療学演習(6年)、病態・薬物治療学演習(4年)、アドバンスト薬物治療学1(4年)、薬物治療学4(3年)、薬学入門(1年)、早期体験学習2(1年)、病態評価演習(大学院)、臨床・医療薬学特論Ⅰ(大学院)、特別演習PBL(大学院)、薬学総合演習(6年)
所属学会および社会活動
日本精神神経学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本睡眠学会、日本アルコール・アディクション医学会、日本神経科学学会、日本生物学的精神医学会、日本神経精神医学会、日本精神科診断学会、日本精神分析学会、日本精神衛生会、日本臨床心理士会、日本薬学会 近畿支部委員、日本生理学会、日本生化学会、高槻市社会福祉審議会委員(障がい者福祉専門分科会会長)、高槻市保健福祉施設等施設整備庁内審査会 委員、NPO法人セルフメディケーション推進協議会理事、医療法人豊済会小曽根病院医師(精神保健指定医・精神科専門医)、特定医療法人 大阪精神医学研究所 新阿武山病院 評議員・治験審査委員会委員、大阪医科大学非常勤講師(神経精神医学)、東亜大学大学院非常勤講師(臨床心理学)
Mail:
matsumuh@gly.oups.ac.jp
reseachmap:
https://researchmap.jp/read0058691/
幸田 祐佳
幸田 祐佳
准教授 / 博士(薬学)
担当科目
病態・薬物治療学演習(6年)、病態・薬物治療学演習(4年)、アドバンスト薬物治療学1(4年)、薬物治療学4(3年)、早期体験学習2(1年)、特別演習・実習(6、5、4年)、病態評価演習(大学院)、特別演習PBL(大学院)
所属学会および社会活動
日本薬学会、日本薬理学会(学術評議員)、日本毒性学会(評議員)、日本ビタミン学会、日本酸化ストレス学会、日本肥満学会、日本腎臓学会、日本循環器学会
Mail:
ykohda@gly.oups.ac.jp
reseachmap:
https://researchmap.jp/read0163258/
田中 早織
田中 早織
助教 / 博士(薬科学)
担当科目
早期体験学習2(1年)、特別演習・実習(6、5、4年)、病態評価演習(大学院)
所属学会および社会活動
日本薬学会、日本生理学会、日本潰瘍学会、日本薬学教育学会
Mail:
stanaka@gly.oups.ac.jp
reseachmap:
https://researchmap.jp/flower5

研究内容

(1)脳機能を維持するための体内機序、特に睡眠の調節系とその役割に関する研究
ラットやマウスの頭部と後頸部に小さな電極を装着し、慢性的に脳波と筋電活動を記録できるようにして、同時に脳内の特定の部位に薬物を作用させて、その薬物の睡眠・覚醒や行動に対する作用を調べることができる実験系を確立しました。睡眠は脳と身体とをリフレッシュさせる非常に大切な現象であり、精神の疾病の多くは睡眠障害を伴います。睡眠・覚醒の制御機構を解明し、さらには精神の疾病の病態生理の解明や新しい治療薬・治療法の開発に繋げていくことができればと考えて、研究を続けています。

(2)依存・嗜癖のメカニズムと治療薬に関する研究
依存とか嗜癖と呼ばれる現象は、人々の生活を非常に苦しめるものですが、未だに決定的な治療法は確立されておりません。アルコール依存症は日本でもよく知られておりますが、他にもさまざまな薬物に対する依存や嗜癖が世界中で問題になっています。現在は特にアルコールに対する依存・嗜癖現象に関して、その発症機序を解明し、また改善薬を見出すべく、研究を続けています。

(3)精神疾患と抗精神病薬に関する臨床研究
精神科病院との共同研究を行っています。抗精神病薬の中でも、難治性の統合失調症に使用されるクロザピンという薬に関して、その血中濃度と効果との相関関係を調べています。今日までの報告によりますと、クロザピンそのものの血中濃度とその効果との関係は、あまり明確ではありません。そこで、クロザピンの体内での分解産物と効果との相関や、血漿中の濃度のみならず、血球中の濃度との相関も検討しつつ、有効か無効かの違いがどのような条件によって生じるのか、等について検討中です。より好ましい治療薬開発のヒントが得られればと考えています。

(4)耐糖能異常と酸化ストレス疾患の発症・進展機序に関する研究
国際社会では、肥満税なるものが登場する時代となり、肥満は健康を脅かす存在として、世界的に認識されています。生活習慣病の病態解明および予防法の研究は、高騰する医療費の抑制に貢献することのみならず、我々の健康増進へと寄与します。慢性的な高血糖は、様々な臓器においてフリーラジカル産生を増大させ、糖尿病合併症を引き起こします。チアミンの新規誘導体は、酸化ストレスを修飾する可能性が考えられます。糖尿病合併症と肥満の病態解明ならびに予防法の確立を目指して、チアミン新規誘導体の大量合成かつ安定供給を望みます。このような社会・医療貢献への取り組みには、産学連携が重要であると考えられます。

 5)生体防御の視点からみた上皮膜機能に関する研究
1.胃粘膜は表面を覆う粘液により保護されており、粘液の供給量(分泌量)が減少すると胃粘膜障害発生に繋がると推察されています。粘液分泌(開口放出)は副交感神経(主にアセチルコリン)刺激により反応して細胞外へ分泌され、主にCa2+調節性開口放出により維持されています。さらにこのCa2+調節性開口放出は2つのオートクリン機構(COX1/PGE2/EP4/cAMPおよびPPARα/PI3K/Akt/NO/cGMP)により修飾されていることを明らかにしました。このように胃粘液開口放出は非常に複雑で巧妙なメカニズムで調節されており、様々な細胞内情報伝達因子個々の機序について研究を進めています。
2.脂質異常症は糖尿病に伴って発症する頻度が高く、血中脂肪濃度の調節には食事性脂肪を吸収する小腸の役割も重要であると考えられています。食事性脂肪摂取量が脂質異常症の病態に及ぼす影響を消化吸収機能面から解明しています。
 

代表的論文

2018年

  1. Kogiso. H, Ikeuchi Y, Sumiya M., Hosogi S., Tanaka S., Shimamoto C., Inui T., Marunaka Y., Nakahari T. Seihai-to (TJ-90)-Induced Activation of Airway Ciliary Beatings of Mice: Ca2+ Modulation of cAMP-Stimulated Ciliary Beatings via PDE1. Int. J. Mol. Sci., 19:658, 2018
  2. Ikeuchi Y., Kogiso H., Hosogi S., Tanaka S., Shimamoto C., Inui T., Nakahari T., Marunaka Y. Measurement of [Cl-]i unaffected by the cell volume change using MQAE-based two-photon microscopy in airway ciliary cells of mice. The Journal of Physiological Sciences, 68:191-199, 2018
  3. Kogiso H., Hosogi S., Ikeuchi Y., Tanaka S., Inui T., Marunaka Y., Nakahari T. [Ca2+]i modulation of cAMP-stimulated ciliary beat frequency via PDE1 in airway ciliary cells of mice. Exp Physiol., 103:381-390, 2018
  4. Ikeuchi Y., Kogiso H., Hosogi S., Tanaka S., Shimamoto C., Matsumura H., Inui T., Marunaka Y., Nakahari T. Carbocisteine stimulated an increase in ciliary bend angle via a decrease in [Cl-]i in mouse airway cilia. Pflügers Archiv - European Journal of Physiology, 471: 365-380, 2018
  5. Y. Kohda. Paradigm change to future health enhancement through comprehending the concept of obesity disease in Japan. Journal of Clinical Toxicology, 8:4, 2018
  6. 田中早織,幸田祐佳,松村人志,島本史夫. 学習知識の獲得および定着を確認するためのツールとしてのプレテスト、ポストテストとファイナルテスト. 大阪薬科大学紀要, 12:11-16, 2018

2017年

  1. Kohda Y, Maekita A, Tanaka T, Matsumura H: Hepatic glucose-dependent insulinotropic polypeptide expression is modified by supplementing high-dose thiamine in obese diabetic rats. Fundam Toxicol Sci 4: 279-284, 2017
  2. Kogiso H, Hosogi S, Ikeuchi Y, Tanaka S, Shimamoto C, Matsumura H, Nakano T, Sano K, Inui T, Marunaka Y, Nakahari T. A low [Ca2+]i-induced enhancement of cAMP-activated ciliary beating by PDE1A inhibition in mouse airway cilia. Pfugers Arch – Eur J Physiol 469:1215-1227, 2017
  3. Asano M, Tanaka S, Sakaguchi M, Matsumura H, Yamaguchi T, Fujita Y, Tabuse K. Normothermic microwave irradiation induces death of HL-60 cells through heat-independent apoptosis. Sci Rep 7(1): 11406, Sep 12, 2017
  4. Asano M, Sakaguchi M, Tanaka S, Kashimura K, Mitani T, Kawase M, Matsumura H, Yamaguchi T, Fujita Y, Tabuse K. Effects of normothermic conditioned microwave irradiation on cultured cells using an irradiation system with semiconductor oscillator and thermo-regulatory applicator. Sci Rep 7: 41244, Feb 1, 2017.
  5. 松村人志. 意外に多い学生達のうつ病. 大阪薬科大学紀要 11: 87-96, 2017
  6. 田中早織、高野美菜、幸田祐佳、松村人志、島本史夫. 講義前後に行ったプレテストおよびポストテストと定期試験成績との相関. 大阪薬科大学紀要 11: 25-30, 2017

2016年

  1. Kohda Y, Minamigawa C, Matsuo M, Matsumura H: Streptozotocin-induced diabetic state triggers glucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP) expression in the rat liver., Fund. Toxicol. Sci., 3:291-296, 2016

  2. Tanaka S, Hosogi S, Sawabe Y, Shimamoto C, Matsumura H, Inui T, Marunaka Y, Nakahari T: PPARα induced NOS1 phosphorylation via PI3K/Akt in guinea pig antral mucous cells., NO-enhancement in Ca2+-regulated exocytosis., Biomedical Research, 37:167-178, 2016

  3. 幸田祐佳, 松村人志: チアミン誘導体AThTPは酸化ストレスを修飾する.フリーラジカル-腎疾患との新たな関わり., 腎と透析81., 東京医学社, p. 1003-1006, 2016

2015年

  1. Y. Kohda, K. Iwatate, T. Tanaka, H. Matsumura Metabolic fate of excessive glucose in fibroblast cells in a diabetic setting., Fund. Toxicol. Sci., 2:55-60, 2015

  2. 田中早織、中張隆司: 胃幽門腺粘液開口放出のアラキドン酸/PPARαによる増強.,膜(MEMBRANE), 40:272-277, 2015

2014年

  1. Tanaka S, Sugiyama N, Takahashi Y, Mantoku D, Sawabe Y, Kuwabara H, Nakano T, Shimamoto C, Matsumura H, Marunaka Y, Nakahari T: PPARα autocrine regulation of Ca2+-regulated exocytosis in guinea pig antral mucous cells: NO and cGMP accumulation., Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol., 307:G1169-G1179, 2014

2013年

  1. Tanaka S, Tanaka R, Harada S, Kohda Y, Matsumura H, Shimamoto C, Sawabe Y, Marunaka Y, Kuwabara H, Takahashi Y, Ito S, Nakahari T: A PKG inhibitor increases Ca2+-regulated exocytosis in guinea pig antral mucous cells: cAMP accumulation via PDE2A inhibition., Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol., 304:G773-G780, 2013

  2. Harada S, Tanaka S, Takahashi Y, Matsumura H, Shimamoto C, Nakano T, Kuwabara H, Sawabe Y, Nakahari T: Inhibition of Ca2+-regulated exocytosis by levetiracetam, a ligand for SV2A, in antral mucous cells of guinea pigs., Eur J Pharmacol., 721:185-192, 2013

2012年

  1. Kohda Y, Tanaka T, Matsumura H: Effect of thiamine repletion on cardiac fibrosis and protein O-glycosylation in diabetic cardiomyopathy., Journal of Diabetes & Metabolism S7:001, 2012

  2. Kohda Y, Tanaka T, Matsumura H: Role of thiamine in obesity-related diabetes: Modification of the gene expression., Food and Nutritional Components in Focus, The Royal Society of Chemistry., 580-591, 2012

ページトップへ