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化学演習  [Exercises in Chemistry]

開講情報
1年次 前期 1単位 必修
担当教員
教授 土井 光暢    
備考
授業の目的と概要
 化学の学習は講義を聴いただけでは十分でなく、自分自身で問題を繰り返し解き、その過程で知識を再確認し、計算方法を整理することで応用力を身につけることができます。化学演習では高校の化学を含めた化学の基礎知識を再確認し、計算問題を解ける能力を養うことを目的とします。
●一般目標(GIO)
 化学の基本的知識を修得し、化学計算力を習得する。
授業の方法
化学計算を中心に演習形式で行います。基本的事項を解説した後、練習問題を解くことで確実な理解を目指します。
●準備学習や授業に対する心構え
試験直前の勉強だけでは化学計算の力は身につきません。プリントの例題と練習問題は1度は自分の力だけで解答し、さらに何度も繰り返し問題を解くことを心がけて下さい。
●オフィス・アワー 
時間:随時(平日) 場所:B棟4階・分子構造化学研究室
成績評価法
定期試験を基本に、出席点、課題などを含めて総合的に評価します。
教科書
書名 著者名 出版社名
教科書は指定せず、プリントを用いて進めます。
参考書
書名 著者名 出版社名
『ポイント化学計算』 坂本正徳 廣川書店
『《基礎固め》化学』 小島一光 化学同人
授業計画
項目 授業内容
1 原子の構造と化学結合 (1) 化学結合の成り立ちと軌道の混成について説明できる。
2 原子の構造と化学結合 (2) 分子軌道の基本概念を説明できる。
3 化学の基礎 (1) 物質量と化学式を関連づけて説明し、計算できる。
4 化学の基礎 (2) 化学変化に伴う標準エンタルピー変化を説明し、計算できる。国際単位系について説明できる。
5 化学の基礎 (3) 国際単位系を用いた溶液濃度について説明し、計算できる。
6 化学の基礎 (4) 代表的な化学物質の英名と酸化数の関連について説明できる。酸化還元平衡について説明できる。
7 溶液の濃度 (1) 酸・塩基平衡を説明できる。溶液のpHを計算できる。
8 溶液の濃度 (2) 弱電解質の電離平衡について説明し、計算できる。
9 溶液の濃度 (3) 緩衝作用について具体例を挙げて説明できる。
10 溶液の濃度 (4) 溶解度積について説明できる。浸透圧、沸点上昇、凝固点降下などについて説明できる。
11 反応速度 1次反応について説明できる。
12 吸光度測定 ランベルト・ベールの法則を説明できる。
13 まとめ
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物性化学  [Chemical and Physical Properties]

開講情報
3年次 前期 1単位 必修
担当教員
教授 土井 光暢    
備考
授業の目的と概要
 物性化学は、すでに履修した物理分析系科目を復習しながら、具体的な物質の物性や状態変化を算出できる技能の修得を目的とします。これによって、修得した知識のより深い理解と、高い計算能力の養成をめざします。
●一般目標(GIO)
 物質の状態および相互変換過程を物理化学的に理解するために必要な基本的知識と計算能力を修得する。
授業の方法
テキストやプリントを用いた講義形式で授業を行います。
●準備学習や授業に対する心構え
範囲が広く、計算も多いので、試験直前の勉強だけでは単位履修は不可能です。講義ごとの例題を一つずつ解きながら、理解度を深める努力を継続して下さい。
●オフィス・アワー 
時間:随時(平日) 場所:B棟4階・分子構造化学研究室
成績評価法
主に定期試験の結果で評価します。 
教科書
書名 著者名 出版社名
冊子・プリント配付
参考書
書名 著者名 出版社名
『物性物理化学-製剤学へのアプローチ-』 大島広行、半田哲朗 (編集) 南江堂
『現代薬学シリーズ9・物理化学』 宮崎利夫 (総編集) 朝倉書店
『わかりやすい化学計算』 島原健三、水林久雄 (共著) 三共出版
授業計画
項目 授業内容
1 熱力学計算(1) 仕事の単位をSI基本単位から誘導することができる。
2 熱力学計算(2) 代表的な過程(変化)における熱と仕事を計算できる。
3 熱力学計算(3) 代表的な物理変化、化学変化に伴うエントロピー変化を計算できる。
4 熱力学計算(4) 自由エネルギーの圧力と温度による変化を計算できる。
5 状態変化(1) Clausius-Clapeyronの式と相平衡について説明できる。
6 状態変化(2) 代表的な状態図(一成分系、二成分系)について説明できる。
7 固体の性質 固体の回折現象と熱分析について説明できる。
8 束一性 溶液の束一的性質について説明できる。
9 弱電解質 電離平衡と溶解平衡について説明できる。
10 反応速度(1) 0〜2次反応の反応速度について説明できる。
11 反応速度(2) Arrhenius式と代表的な複合反応の特徴について説明できる。
12 界面 界面における平衡と吸着平衡について説明できる。
13 まとめ
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薬学総合演習1  [Exercises in Comprehensive Pharmaceutical Sciences 1]

開講情報
4年次 後期 薬学科:1単位 必修
担当教員
教授 土井 光暢    
備考
授業の目的と概要
 4年間に修得した全ての薬学関連科目を復習します。それによって、身につけた各分野の基本知識を再確認し、整理することを目標とします。
●一般目標(GIO)
 実務実習を開始してもよいレベルの基本的な薬学知識を身につける。
授業の方法
各分野の教員が演習形式で行います。
具体的な回数、内容、担当者は後期・開講前に発表します。
●準備学習や授業に対する心構え
演習では重要問題の解説が中心になるので、広範囲の復習を行うためには自己学習が不可欠です。特に、履修してから時間が経過している基礎科目については重点的に復習するよう心がけて下さい。
●オフィス・アワー 
「薬学総合演習1」については、平日にB棟4階・分子構造化学研究室で随時お答えします。各演習内容については担当者のオフィス・アワーを参照して下さい。
成績評価法
出席状況、演習試験の成績に、体験テスト及びCBTの結果を加味し、総合的に評価します。
教科書
書名 著者名 出版社名
各担当者が作成するプリント等
授業計画
項目 授業内容
1 演習C1 熱力学、反応速度論などの基本的知識を修得する。
2 演習C2-4 化学物質をその性質に基づいて分析できる基本的知識を修得する。
3 演習C4 代表的な反応、分離法、構造決定法などについての基本的知識を修得する。
4 演習C5-7 有機合成法の基本的知識を修得する。
5 演習C8 生命体の成り立ちを個体、器官、細胞レベルで理解するための基本的知識を修得する。
6 演習C9,10 細胞の機能や生命活動を支える分子の役割についての基本的知識を修得する。
7 演習C11,12 栄養と健康、現代社会における疾病とその予防に関する基本的知識を修得する。
8 演習C13 代表的な薬物の作用、作用機序、および体内での運命に関する基本的知識を修得する。
9 演習C14 薬物治療に関する基本的知識と技能を修得する。
10 演習C16,17 薬物と製剤材料の物性、医薬品への加工、および薬物送達システムに関する基本的知識を修得する。
11 演習C18 薬学を取り巻く法律、制度、経済および薬局業務に関する基本的知識を修得する。
12 演習A,B ヒューマニズムに関する基本的知識を修得する。
13 演習D1 調剤および製剤、服薬指導などの薬剤師職務に必要な基本的知識を修得する。
14 総合学習
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基礎薬学実習  [Practice in Basic Pharmaceutical Sciences]

開講情報
1年次 前期 0.5単位 必修(☆印は担当代表者)
担当教員
☆ 教授 土井 光暢 准教授 大桃 善朗 助教 平田 雅彦
助教 浅野 晶子    
備考
授業の目的と概要
 実験を行うには正しい実習習慣・基本的な実験操作法等を身につけることが大切です。「基礎薬学実習」においては、実習の心構え、身だしなみ、実験器具の用い方、基本操作、基礎的計算、実験結果の取り扱い方、実験レポートの記載等、今後履修する実習の基礎となる知識と技能を習得することを目的とします。
●一般目標(GIO)
 化学実験を行うために必要な基本的な知識と技能を身につける。
授業の方法
その日の実習内容、実験操作等に関しての説明や諸注意を与えたうえで、数名のグループに分かれて、実習テキストを参考にして実習を行います。
●準備学習や授業に対する心構え
欠席は認められません。その日行った実験についての復習とまとめはその日のうちに行い、実験操作と得られた結果を考察する努力が必要です。
●オフィス・アワー 
講義、実習など不在でないかぎり、平日にB棟2階・生体機能診断学研究室またはB棟4階・分子構造化学研究室で随時質問にお答えします。
成績評価法
実習に取り組む態度、実習レポート、実習試験成績等を総合的に評価します。
教科書
書名 著者名 出版社名
実習テキスト、プリント等を配付
参考書
書名 著者名 出版社名
化学、化学演習のテキスト
授業計画
項目 授業内容
1 基礎知識 実験を安全に行うために必要な心構え、身だしなみなどを概説できる。
2 基本操作 基本的な測容器を用いて、試液を正確な濃度に調製できる。
3 定性・確認反応 代表的な金属イオンを錯生成反応等を用いて確認できる。
4 容量分析  標準液の標定と、それを用いた滴定ができる。
5 緩衝液とpHの測定 溶液のpHを測定でき、緩衝作用について具体例を挙げて説明できる。
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特別研究(後期)  [Special Laboratory Works, Practice in Applied Pharmaceutical Sciences]

開講情報
4年次 後期 薬科学科:6単位 必修
担当教員
備考
授業の目的と概要
 未知の自然科学に挑戦する手法を修得するため、その一手段として配属先の教員の指導のもとで薬学関連のテーマで基礎研究および応用研究を実施する。 
●概要
 4年次後期では、4年次前期で修得した研究活動に参画するために必要な基本的知識、技能、態度に基づいて得られた研究成果を更に発展させ、新しい知見を見出す能力を涵養する。また、その過程において、創造の喜びと研究の醍醐味を体験することができる。
●一般目標(GIO) 
 研究を自ら実施できるようになるために、研究課題の達成までのプロセスを体験し、研究活動に必要な知識、技能、態度を修得する。
●到達目標(SBOs) 
 1.研究課題に関連するこれまでの研究成果の問題点を抽出できる。
 2.研究課題に関連する論文を読み、理解できる。
 3.実験計画を立て、実験を実施できる。
 4.研究の結果をまとめることができる。
 5.研究の結果を考察し、評価できる。
 6.研究の結果を発表し、質疑応答ができる。
 7.研究の成果を報告書や論文としてまとめることができる。
授業の方法
文献調査、演習並びに実験
成績評価法
特別研究成果のプレゼンテーションおよび報告書に基づき、総合的に評価する。

教育研究グループ
担当教員
研究テーマ
薬品物理化学
教授 石田 寿昌
准教授 友尾 幸司
講師 尹 康子
(1) 遺伝情報翻訳開始反応機構の解明 
遺伝情報を読みとり、タンパク質の生合成を開始させるのに必要な蛋白質や、その反応を制御する翻訳調節因子等の一連の蛋白質の立体構造をX線結晶構造解析法等により解析し、その生理機能の仕組みを分子レベルで明らかにして翻訳開始反応機構を解明する。 
(2) 認知症に関与するタウ蛋白質の構造と機能の解明ならびに認知症治療薬の開発
アルツハイマー痴呆の原因物質はタウ蛋白質の脳中での不溶性沈着形成がある。本来可溶性のタウ蛋白質が不溶性になるメカニズムを、種々の分光学的方法による構造解析を駆使して解明する。
(3) 生体高分子の構造機能解析
Na-Ca交換系タンパク質、糖輸送系タンパク質、ユビキチンープロテアソーム系タンパク質などの非常に重要な機能を有する各タンパク質の立体構造をX線結晶構造解析法等により解明し、分光学的手法も併せて構造と機能の相関を解析する。
(4) 生理活性物質、特にC−末端アミド化ペプチドの構造と機能に関する研究
生体内に存在しているペプチド、特にC−末端部分がアミド化されたペプチドには極めて特異な生理活性をしめる化合物が多く存在している。なぜ生理活性の発現にC−末端アミド化が必要かを解明するために、それらの立体構造をNMRやX線などを用いて解析し、その機能との相関について調べる。そして、より高活性な分子を設計する。 
(5) 酵素阻害剤の分子設計
生体反応の維持に不可欠な酵素は、その機能の異常亢進によって重篤な疾病を引き起こす。それゆえ、標的酵素に選択特異的な低分子阻害剤を開発することは、その疾病治療に重要です。研究室ではトリプシンを始めとするセリンプロテーアーゼ、パパインやカテプシンなどのセリンプロテアーゼに対する阻害剤を分子設計している。これまでにカテプシンBの立体構造の解析から、その基質結合ポケットの特異性を明らかにして、それにジャストフィットする阻害分子を設計し、その結果として、選択特異的な阻害剤としてCA074(IC50=2nM)の開発に成功している。このように、種々の構造生物学的、構造化学的手法を駆使して、生体内で重要な役割を果たしている酵素構造を明らかにし、それに特異的な阻害分子の開発に取り組んでいる。
生化学
准教授 井上 晴嗣
講師 藤井 忍
(1) リン脂質加水分解酵素の触媒機能の解明
リン脂質加水分解酵素を生体から精製、もしくは、大腸菌を用いた発現系を構築して精製し、酵素反応速度論に基づいて種々の実験を行うことにより、どのような反応機構で酵素が基質に作用するのかを明らかにする。
(2) ホスホリパーゼA2阻害タンパク質の構造と阻害機構の解明
本研究室で発見した3種類のホスホリパーゼA2阻害タンパク質について、大腸菌による組換えタンパク質の大量発現とX線結晶解析、部位特異的変異体を用いたホスホリパーゼA2との相互作用の解析などについて検討する。
(3) ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)の機能解明
ほ乳類の血液中に存在するLRGは毒ヘビ血液中に存在するホスホリパーゼA2阻害タンパク質と相同性を示す。最近LRGの内在性リガンドがシトクロムcであることを見いだしたが、その生理的な意味についてはわかっていない。そこで、組換えLRGタンパク質の発現系を構築するとともに、LRGノックアウトマウスを作製して、LRGの生理的機能を解明する。
微生物学
教授 辻坊 裕
講師 宮本 勝城
助教 土屋 孝弘
(1) 環境微生物:バイオマスの有効利用を目的とするキチンおよびキシラン分解機構に関する分子生物学的研究 
(1) 海洋細菌のキチン分解機構に関する分子生物学的研究 
(2) 好熱性放線菌のキチン・キシラン分解機構に関する分子生物学的研究
(3) 海洋細菌および好熱性放線菌のドラフトゲノム解析
(2) 病原微生物:感染症治療薬の開発を目的とする病原微生物による疾病発症機構に関する分子生物学的研究 
(1) 病原細菌の宿主生体中における生存および増殖機構の解明
(2) 病原細菌の病原性発現に関与するシグナル伝達機構  
(3) 病原細菌に対する免疫応答の解析
薬品分析化学
教授 三野 芳紀
講師 齊藤 睦弘
講師 佐藤 卓史
(1) 環境汚染物質の分解・無毒化に関する研究
・キノコ菌や化学反応(鉄―過酸化水素試薬など)を用いて、ダイオキシン・PCBの分解法を開発する。
・植物を利用した環境修復法を開発する。制がん剤シスプラチンの作用機序に関する研究
(2) 身近にある有害物質に関する研究
・環境、食品中の有害物質(有機スズ類、重金属)の分析などを行う。
・有害物質を体外に排泄させる化合物を探索する。
(3) 生体の鉄取り込み機構に関する研究
・蛍光菌及び水質汚濁を引き起こす藻類の鉄取り込み機構を解明する。
・食物中に含まれるミネラルの化学形態分析を行う。
・鉄の毒作用を調べるとともに、その毒作用を抑制するキレート剤を探索する。
(4) 植物タンパク質の構造に関する研究
・フェレドキシンの一次構造解析により、植物の類縁関係を調べる。
・ペルオキシダーゼの構造と有害物質分解活性の関係を調べる。
(5) シスプラチンおよび関連白金錯体と核酸との相互作用を種々の方法で解析すること、並びに培養がん細胞の状態や機能の変化を生物化学的に解析することにより、アポトーシス誘導を含む作用機序を明らかにするとともに、より優れた制がん剤を開発する。
(6) セレン含有化合物に関する生物無機化学的研究
セレンを含む化合物の合成、分析および抗がん活性、抗酸化活性等の生物活性の検索を行うことにより、有用なセレン化合物を開発するとともに、セレンが必須元素として生体内で多彩な機能を発現する機構を解明する。
(7) 生理活性を有する金属錯体を認識するモノクローナル抗体の調製と応用
Gly-His-Lys-Cu2+のように生理活性を示す金属錯体について、錯体と配位子とをそれぞれ個別に認識するモノクローナル抗体の作成を試み、それらの抗体を対象錯体の生体内での挙動や活性発現機構等の解析に応用する。
(8) 環境中の超微量元素の分析法の開発
生物試料や環境試料中に存在する超微量元素を分離・濃縮し、分析する新しい方法を開発する。
分子構造化学
教授 土井 光暢
助教 浅野 晶子
(1) 両親媒性ペプチドの立体構造と機能
天然に見出されるペプチドで細胞膜に作用点をもつ一群は、疎水性・親水性という単純な物性を組み合わせることで活性を発現する。これらの構造と機能の関係を調べる。
(2) コンホーメーションコントロールについて
生理活性を有するペプチドの中には、その立体構造がレセプターとの結合に大きな影響を与えることがある。これらのペプチドに化学修飾を行うことで、立体構造を自由に変化させ、さらには活性をもコントロールすることで、アゴニスト、アンタゴニストの開発を行う。
(3) 自己会合能をもつペプチドのβシート構造とゲル化能について
2〜20の炭素鎖で架橋したアミノ酸またはペプチドは、溶媒をゲル化させる機能を有する。この機能と自己会合したβシート構造の関連についてナノスケールでの解析を行う。
有機薬化学
教授 春沢 信哉
講師 宇佐美 吉英
(1) ヒスタミンH3及びH4-レセプターアンタゴニストの創製  
脳内に広く存在するヒスタミンH3-レセプターをブロックする化合物は、アルツハイマー病などの認知症治療薬として期待される。一方、ヒスタミンH4-レセプターは、2000年に発見されたばかりで、特異的なアゴニスト、アンタゴニストはほとんどなくその創製による薬理学的機能の解明が期待されている。当研究室では、2003年に最初のヒスタミンH4アゴニスOUP-16を発表し、さらに有効なH3,H4アゴニスト、アンタゴニストの創製に取り組んでいる。
(2) エストラジオール(E2)とイミダゾールを含む化合物の合成とその薬理的評価
乳癌はE2依存性であり、イミダゾールは、医薬品や生理活性物質に多く見られる。それらを組み合わせることで新規の抗腫瘍化合物を目指す。
(3) イソチオウレアの新規合成法の開発と医薬品への応用
イソチオウレアを含む化合物は、NOS阻害剤、抗癌剤、抗HIV阻害剤、H3アンタゴニストなど多彩な生理活性を示す。最近当研究室では、イソチオウレアの効率的新規合成法を独自の手法で開発することに成功し、現在それを生かした医薬品への応用について研究している。
(4) RNA合成ユニット、アミダイト化合物の合成研究とリボザイムの反応機構解明への応用
リボザイムの発見以来、RNAは多彩な機能を持つことが明らかとされた。当研究室では、イミダゾールC-ヌクレオシドを含むRNA合成ユニットであるアミダイト化合物を合成し、他のグループとして共同してリボザイムの自己切断活性の反応機構を解明するプローブ開発を行っている。
(5) 制がん剤の開発を目指した海洋由来天然有機化合物の合成
海洋由来抗腫瘍天然物の全合成ならびにその関連化合物の合成を行い、制がん剤の創製を目指すとともにその他生理活性についても検討する。また、その際必要となる新規な有機合成反応の開発についても検討する。
(6) 美白作用を有する薬物の開発
海洋由来真菌代謝物であるシクロペンテノン型チロシナーゼ阻害剤の全合成とその誘導体合成ならびに活性の最適化について研究する。
(7) 有機金属化合物を活用した官能基変換反応の開発
医薬品を社会に安定供給するために、プロセス化学を指向した新たな反応剤の創製を機軸とする、高効率的な官能基変換反応の開発を目指す。
機能分子創製化学
教授 浦田 秀仁
講師 和田 俊一
(1) 1.鏡像体核酸の合成とその機能性分子素子としての応用
DNAやRNAは構成成分として光学活性なD型リボースを有する。その鏡像体であるL型リボースは天然には存在せず、L型リボースから成る核酸は生体内の核酸分解酵素に認識されないことから優れたな安定性を有する。このような鏡像体核酸の生体内安定性を利用して抗HIV剤や各種バイオセンサーなどへの応用を検討している。
(2) 2.金属イオンが二本鎖DNAの安定性および複製反応に及ぼす影響
DNAは、核酸塩基間の水素結合を介して二重らせん構造を形成する。一方で、核酸塩基は様々な金属イオンと結合するという性質を持ち、近年、金属イオンを介した塩基対を形成することも報告されている。当研究室では、様々な金属イオンと核酸塩基の組み合わせで形成され得る塩基対の安定性やDNAポリメラーゼによる複製反応に及ぼす影響を調べている。
(3) 3.糖部修飾核酸の合成法の開発とRNA干渉など生体反応制御分子としての応用
アンチセンス法やRNA干渉法は特定の遺伝子発現を抑制する方法で、疾病の治療や遺伝子のノックダウンに応用されている。しかし、効果的に作用を発揮するには生体内の各種分解酵素に対する安定性が重要となる。そこで、糖部修飾核酸の合成法を開発し、生体内で安定性向上を目指した核酸アナログの合成とそのin vitroでの遺伝子発現抑制効果の検討を行っている。
(4) 4.二重鎖DNAを不斉源とする不斉合成法の開発
DNAの二重らせん構造は不斉場を形成しており、不斉(立体選択的)合成を行う際の不斉源となり得る可能性がある。そこで、不斉リガンドとして種々の短鎖DNA断片を化学合成し、二重鎖DNA上での不斉合成反応について検討を行っている。
(5) 5.RNAの化学進化とホモキラリティーの確立過程のモデル構築
地球上生物の核酸を構成するリボースは例外なくD型であるが、原始地球上で非生物的に合成されたヌクレオチドはラセミ体であったと考えられている。このラセミ体からのL型ヌクレオチドの淘汰が生命誕生に必須であったと考えられているが、その過程は生物学に残された大きな謎とされている。当研究室ではL型ヌクレオチドを化学合成し、その化学的性質の観点から、この「大きな謎」を解明する糸口をつかむべく取り組んでいる。
(6) 6.細胞内移送能を有するキャリアペプチドの開発
タンパク質、核酸、多糖類などの極性高分子化合物は、疎水性である細胞膜を容易に通過し、細胞内に入ることができない。これらの分子を細胞内に移送する機能を有するペプチドを設計・合成し、そのin vitro細胞評価を行っている。
(7) 7.キャリアペプチドの核酸医薬品細胞内デリバリーツールとしての応用
アンチセンスやsiRNAなどの遺伝子治療に用いられる核酸分子とキャリヤペプチドとの複合体の効率的合成法を検討している。さらに、その複合体の細胞膜透過性や遺伝子のノックダウン効果などのin vitro細胞評価を行っている。
(8) 8.ポリフェノール類の合成
ポリフェノール類は、生活習慣病の予防、抗がん、抗菌、抗ウィルス作用などの多様な生理活性が報告されている。酸化的フェノールカップリングを用いてポリフェノール類の効率的合成法を確立し、合成した種々のポリフェノール類の生理活性評価を行っている。
医薬品化学
教授 田中 麗子
講師 山田 剛司
(1) ブラジル産植物アンデローバ (Carapa guianensis)、マラクジャデポ (Passiflora quadrangularis)の新規活性物質の絶対構造
(2) 白樺を侵食する腐朽菌カバナアナタケの産生するトリテルペンの化学構造
(3) 創薬を目的としたmolecular hybridizationに関する研究
本研究室で発見したリード化合物と異なる構造を持つ化合物を組み合わせ、優れた活性物質を見出す。
(4) 上記化合物の生理活性
in vitro, in vivo発がんプロモ−ション抑制活性、P388, HL-60に対する増殖阻害活性、細胞接着阻害活性
(5) 海洋生物由来菌類の産生する新規細胞毒性物質に関する探索研究
生薬科学
教授 馬場 きみ江
准教授 谷口 雅彦
講師 芝野 真喜雄
(1) セリ科、ジンチョウゲ科植物の抗腫瘍活性成分の探索および構造解析に関する研究
(2) 植物中のグルコシダーゼ阻害活性成分の検索と特異的阻害剤の開発研究
(3) 抗HIV活性を指標としたガガイモ科由来のステロイド誘導体に関する研究
(4) ミカン科植物果実の抗アレルギー作用に関する研究
(5) 生薬・漢方製剤中の循環器系作用成分の探索に関する研究
生体機能診断学
准教授 大桃 善朗
助教 平田 雅彦
(1) 新規画像診断薬剤の開発研究
脳梗塞、アルツハイマー病などの脳神経疾患や、心筋梗塞などの心疾患の早期発見、治療効果の判定などを可能にする、新しい放射性画像診断剤の開発を主な目標に研究を行う。
(2) 脳神経疾患におけるレセプター、酵素の機能変化の画像解析に関する研究
これまでに当研究室で開発した画像診断剤と、脳神経疾患病態モデル動物などを用いて、これら疾患におけるレセプターや酵素機能変化の画像解析の可能性と、診断への応用について検討する。
(3) 癌の核医学的研究
培養癌細胞、担癌動物などを用いて、癌の形態のみならず質的診断を可能にする新規放射性画像診断剤の開発と、癌の内用放射線治療薬剤の開発研究を行う。
生体防御学
教授 天野 富美夫
講師 藤森 功
(1) マクロファージ活性化機構の研究
グラム陰性菌リポ多糖(LPS)およびDNAを用いたマクロファージの活性化機構を分子レベルで生化学的に明らかにする。
1)LPSによるマクロファージのアポトーシスの誘導とその調節機構の研究
2)マクロファージ活性化におけるプロスタグランジンE2(PGE2)のレセプターを介した調節機構の研究
3)マクロファージ活性化を指標にした抗炎症作用物質、免疫調節物質の探索研究
4)マクロファージの破骨細胞への分化誘導調節機構の研究
(2) 食中毒原因菌(サルモネラ、リステリアなど)の病原性発現機構の研究
マクロファージ細胞内で増殖するこれらの食中毒原因菌の病原性発現機構を細菌側の因子とマクロファージの応答性に焦点を当てて分子レベルで明らかにする。
5)サルモネラの新規病原性関連タンパク質、SEp22の発現調節機構に関する研究
6)サルモネラの新規病原性関連タンパク質、SEp22の構造と機能に関する研究
7)マクロファージの活性酸素、一酸化窒素による殺菌機構の研究
(3) 細菌のストレス応答機構に関する研究
大腸菌のATP依存性プロテアーゼの活性発現調節機構と基質タンパク質の相互作用を細菌のストレス応答と関連させて明らかにする。また、環境中の微生物の環境ストレス応答と宿主への感染による病原性の発現機構の関係を明らかにする。
8)遺伝子組換えSulAタンパク質を用いた、ATP依存性プロテアーゼLonの基質SulA分解調節機構の研究
9)ATP依存性プロテアーゼLonの活性発現調節機構の研究
10)好気的条件下における細菌の増殖と酸素ストレス応答の調節機構の研究
11)サルモネラの新規病原因子の研究
12)サルモネラのワクチンの開発に関する研究
(4) 内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)による免疫系の障害機構の研究
トリブチルスズ(TBT)などの内分泌撹乱化学物質が免疫系に及ぼす障害作用を細胞レベルで生化学的に研究し、感染症予防機構に対する影響を評価する。
13)マウスマクロファージの脂質代謝機能に及ぼすTBTの影響の研究
14)ヒト単球系細胞株U937の分化及び機能発現に対するTBTの影響とヒト乳中成分による調節機構の研究
15)TBTによる単球/マクロファージのカルシウムシグナリングとアポトーシスの誘導機構の研究
(5) 腎メサンギウム細胞の炎症応答機構の研究
ラット腎臓由来メサンギウム細胞のLPSや細菌由来DNAに対する応答性とその調節機構を明らかにする。
16)正常時および病態時の腎臓におけるメサンギウム細胞のToll-like receptor 9 (TLR9)の機能と発現調節機構の解析
17)糸球体腎炎の発症におけるメサンギウム細胞の機能に関する研究
(6) アラキドン酸とプロスタグランジンの代謝による細胞機能の調節に関する研究
マクロファージやメサンギウム細胞、上皮細胞等における炎症刺激や感染に対するアラキドン酸ならびにプロスタグランジンの代謝を解析し、その調節機構を研究する。
18)アラキドン酸代謝産物によるシグナル伝達機構のクロストークに関する研究
19)プロスタグランジンE2受容体分子の発現と機能に関する研究
(7) 発がんの制御に関する研究
がん遺伝子の発現調節、がん細胞に対する特異的な抗体の開発、及び免疫賦活化による発がんの制御を行う。
20)がん遺伝子の発現抑制とアポトーシスの誘導による発がん抑制
21)ヒトスキルス胃がん細胞に対する特異抗体の開発と診断・治療への応用
22)マクロファージ活性化・NK細胞活性化を介した免疫系の賦活化と発がん抑制
(8) プロスタグランジンの産生制御機構に関する研究
プロスタグランジンの産生を制御する分子メカニズムを明らかにする。
23)プロスタグランジン合成酵素の活性化と分解に関する研究 
24)プロスタグランジンE合成酵素の遺伝子発現調節機構の解明
(9) 脂肪細胞の成熟化制御機構に関する研究 
脂肪細胞の成熟化(脂肪滴蓄積)を制御するメカニズムを明らかにし、肥満を防止する薬剤を開発する。
25)プロスタグランジン類による脂肪細胞分化調節機構の解明
26)脂肪細胞の分化を調節する新規タンパク質の同定と解析
27)脂肪細胞で発現する新規プロスタグランジンF合成酵素の生化学的・分子生物学的解析
(10) 機能性RNAに関する研究 
タンパク質をコードしていないにもかかわらず転写されるnon-coding RNA(ncRNA)を同定し、機能を解明する。 
28)タンパク質の発現レベルを調節する新規ncRNAの同定と機能解析 
29)新規micro RNA (miR-648)の機能解明 
環境分子生理学
教授 藤本 陽子
准教授 佐久間 覚
(1) 活性酸素・過酸化脂質の生成と消去に関する研究
肝臓キサンチンデヒドロゲナーゼを精製し、本酵素の活性酸素産生型(キサンチンオキシダーゼ)への変換因子、ならびにその変換の抑制因子を追求することにより、生体内での活性酸素産生調節機構の解明を試みる。
(2) アラキドン酸由来生理活性物質の産生調節機構に関する研究
シクロオキシゲナーゼ1および2、リポキシゲナーゼの活性ならびに遺伝子レベルに対する各種生体内物質および薬物の影響を検討することにより、動脈硬化症や炎症性疾患の発症と進展の機構の解明ならびにその発症を防御する薬物の開発を試みる。
(3) 生活習慣病を誘発する肥満の分子機構に関する研究
培養細胞系およびin-vivoの系を用いて、脂肪細胞の増殖・分化における生体内調節機構を解明し、それを防御する薬物の開発を試みる。
(4) 糖尿病における酸化ストレスの発生と防御に関する研究
糖尿病における血中や尿中の8−ヒドロキシデオキシグアノシンを測定し、その病態下での酸化状態の把握と、さまざまな薬物を投与することにより酸化傷害の防御策や改善策を検討する。
(5) 肝臓および大腸における新規制がん剤の開発
肝臓癌あるいは大腸癌細胞の増殖に対する脂質関連物質の影響を細胞ならびに分子レベルで明らかにし、新規制がん剤の創製を試みる。
(6) 環境汚染物質の生体影響に関する研究
内分泌かく乱化学物質、多環芳香族炭化水素、重金属などの毒性発現機構の解明ならびにそれらの毒性に対する防御策や改善策を検討する。
病態分子薬理学
教授 松村 靖夫
講師 大喜多 守
(1) 内皮由来血管収縮ペプチド、エンドセリンの産生調節機構
ブタおよびヒトの培養血管内皮細胞を用い、エンドセリン産生調節機構について、遺伝子発現および転写調節機構の観点から検討している。
(2) 種々循環器疾患の発症と進展機構におけるエンドセリンの病態学的役割
おもにラットを用いて、高血圧、急性および慢性腎不全、虚血性心臓疾患および脳血管障害などの実験的モデル動物を用いて、病態の発症と進展における様々な生体因子の役割をエンドセリンを中心に、検討している。
(3) 腎交感神経活動とその調節機構
麻酔動物を用いて、腎交感神経活動・腎交感神経からのノルエピネフリン放出と腎機能変化におよぼす種々の生理活性物質、たとえばNO、さらには各種薬物の影響について検討している。
(4) 循環器疾患と性差
虚血性腎障害、血管肥厚並びに動脈硬化モデルなどを用いて、病態の発症・進展における性差メカニズムについて検討している。
(5) 虚血性腎障害におけるプロテオーム解析
腎虚血再灌流モデルにおけるプロテオーム解析から腎障害の発症・進展に関わるタンパク分子の同定を目指している。
(6) 抗酸化性機能性食品素材の新規生理活性に関する研究
セサミンの抗高血圧作用やフラバンジェノールの血流改善効果などのメカニズム解明を目指している。
薬品作用解析学
准教授 大野 行弘
講師 河合 悦子
(1) 薬品作用解析研究
中枢神経作用薬、腎臓作用薬などについて、その薬効薬理作用および副作用を評価し、作用メカニズムを解明する。
(2) 精神神経疾患の病態研究
統合失調症、抑うつ・不安障害、パーキンソン病、てんかん等の精神神経疾患を対象に、各種の疾患モデルを用いた病態研究を進め、臨床治療上の問題点を克服できる創薬コンセプトを提案する。
(3) 中枢ドパミンおよびセロトニン神経系の機能解析研究
精神・運動機能の調節における脳内ドパミンおよびセロトニン受容体の役割とその制御メカニズムを、行動薬理学、電気生理学、神経化学的手法を用いて解析する。
(4) 腎不全の病態・薬物治療研究
慢性腎不全モデル動物を用いて、腎間質線維化発症メカニズムを解析し、その病態の成り立ちや薬物療法のあり方を検討する。
生体機能解析学
教授 高岡 昌徳
講師 坂口 実
(1) 癌細胞の増殖に対する薬物の効果とそのメカニズム
乳腺癌あるいは胃癌細胞の増殖を抑制する新規な化合物を検索し、作用メカニズムを解明してその有用性を検討する。
(2) プロリルオリゴペプチダーゼの細胞生物学的役割
培養細胞の細胞周期制御におけるプロリルオリゴペプチダーゼの機能を解析し、細胞の増殖における本酵素の役割を解明する。
(3) 細胞の生存や傷害の保護および分化促進活性を有する化合物の探索
生薬や日常摂取する食品、機能性食品、サプリメントなどに含有されている化合物について、培養細胞の増殖・生存・分化・死に及ぼす影響を検討して、制癌作用や細胞死抑制作用または細胞機能を維持する効果を示すものを探索し、その有用性を検討する。
臨床薬剤学
教授 田中 一彦
准教授 井尻 好雄
助教 加藤 隆児
(1) 「医薬品適正使用のための研究」(ヒトにやさしい薬のための研究)
@ 炎症制御に関する研究
  ・敗血症ショックモデルに対するcapsaicinの抗ショック作用の検討
  ・Capsaicinの四塩化炭素誘発性肝障害に対する効果の検討
  ・Capsaicinの虚血再灌流後不整脈に対する効果の検討
(2) A 薬物相互作用に関する研究
  ・肝灌流モデルを用いたイリノテカン(抗癌薬)の代謝排泄ルートの研究
  ・シクロスポリン(免疫抑制薬)とプラバスタチン(抗高脂血症薬)の相互作用に関する研究
(3) B 重篤な副作用の発症機序の解明
  ・イリノテカン(抗癌薬)の致死的下痢の新たなる発症機序の解明
  ・薬物肝障害・劇症肝炎発症機序の解明
  ・テレメトリー心電図・MAP電極法・パッチクランプ法を駆使した
   torsades de pointes発生機序に関する研究
  ・NASIDsによる心筋梗塞発症機序の解明
臨床化学
教授 藤田 芳一
助教 山口 敬子
(1) 新規有機試薬の合成とその構造解析並びに分析化学への応用に関する研究
キサンテン系色素をはじめとする新規有機試薬の合成と精製について検討し、その特性、化学構造の解析並びに分析化学への応用などについて探索します。
(2) 金属錯体のキャラクタリゼーションに関する研究
生体関連化合物あるいは有機試薬と金属イオンとの金属錯体の性状及び構造などのキャラクタリゼーションについて解明します。
(3) 生体機能関連物質の高感度分析法の開発に関する研究
有機試薬、金属イオンとの錯体生成反応系を利用する無機(アルミニウムイオン、亜鉛イオン、過酸化水素など)あるいは有機(医薬品、タンパク質、核酸、糖など)生体機能物質の新規高感度分析法の開発とその応用などについて検討します。
臨床実践薬学
教授 荒川 行生
准教授 恩田 光子
(1) 生体成分の微量定量法の確立とその応用
(例)食欲関連ホルモンの微量定量と変動要因研究
(2) 薬物の微量定量法の確立とその応用
(例)抗菌薬・ステロイドホルモンの微量定量と薬物動態研究
(3) 眼薬理および薬物動態研究
(例)眼部薬物送達システムについての基礎的研究
(4) 社会薬学研究
(例)経済学的研究、疫学研究、リスク管理研究
薬剤学
教授 掛見 正郎
講師 岩永 一範
講師 宮崎 誠
(1) 薬物のPK-PD解析に基づいた最適投与計画の設計
薬物投与後の薬理効果の時間的変化は、薬物の生体内動態とは必ずしも一致しない。そこで薬物の生体内動態と薬理効果の時間的変化を数学的モデルを用いて関連づけ(PK-PD解析)、薬効の時間的推移の予測を行うことで、薬物のより安全で有効な(最適)投与計画の設計を行う。
(2) 日内変動を考慮した薬物の最適投与計画の設計
薬物に対する生体の反応(薬理作用)は、各種生体恒常系によって著しく影響を受けるが、これまでこれらを考慮した薬物投与計画の設定や、製剤設計はほとんど行われてこなかった。本研究はPK-PD解析の手法を用いて、これら生体恒常系の日内変動をも考慮に入れた、薬物の新しい最適投与計画の設定を行う。
(3) 難水溶性薬物の消化管吸収機構に基づいた新規脂質分散系DDS製剤の開発
近年、顕著に増加している難水溶性医薬品候補化合物は、脂質分散系製剤を用いれば消化管から吸収されることが知られているが、この吸収機構の詳細はまだ明らかにされていない。本研究は、これら機構を明らかにすることにより、より合理的な製剤化の方法を追究し新規脂質分散系DDS製剤の開発を行う。
(4) Pegylation技術を応用した難水溶性薬物の消化管吸収改善に関する研究
近年、タンパクやペプチド性薬物分子に水溶性高分子ポリエチレングリコールを結合させることにより生体内半減期の延長を可能とするPegylation技術が向上している。本研究では、Peglylationによる溶解性改善効果に着目し、水溶性薬物にPeglyationを行うことにより溶解性を改善し、消化管吸収性の改善をはかる新規DDS医薬品の開発を試みる。
(5) 小腸CYP3AとP-gp(P糖タンパク質)のinterplayによる薬物排出機構に関する研究
小腸上皮細胞にはP-gp及びCYP3Aが発現しており、両者は協調して薬物を小腸上皮から管腔内へと排出してしまう。本研究では、両者による協調的薬物排出機構を明らかにすることにより薬物経口投与後のバイオアベイラビリティ改善の方法を探索する。
(6) セリ科生薬含有フラノクマリンが小腸及び血液脳関門発現P-glycoprotein活性に及ぼす影響
キョウカツやビャクシに代表されるセリ科植物には、P-glycoprotein(P-gp)阻害活性を示すことが知られているフラノクマリン類が含有されている。そのため、これらを原料とする漢方医薬品とP-gp基質となる西洋薬を併用するとP-gp阻害により西洋薬の体内動態が変化する可能性がある。本研究はこれら両者を併用した際の小腸及び血液−脳関門(BBB)発現P-gpにおける相互作用を明らかにする。
(7) 小腸及び肝発現CYP3Aレベルに及ぼす体内脂質レベルの影響
小腸や肝に発現しているCYP3Aは種々の核内レセプターを介してそのレベルが制御されている。一方、胆汁中に含有される胆汁酸の中にはこの核内レセプターに結合しCYP3Aレベルを制御するものが存在することが知られている。本研究では高脂血症等、体内脂質レベルの上昇時における胆汁酸レベルの変動と小腸及び肝発現CYP3Aレベルの関係について検討することにより、高脂血症時におけるCYP3A基質薬物経口投与後のバイオアベイラビリティに及ぼす影響を明らかにする。
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特別演習・実習1  [Laboratory Exercises and Practice 1]

開講情報
5年次 前期 薬学科:10単位 必修
担当教員
備考 5年次前期から6年次前期にかけて実施 1年半で10単位を取得する
授業の目的と概要
 未知の自然科学に挑戦する手法を修得するため、その一手段として配属先の教員の指導のもとで薬学関連のテーマでの文献調査、基礎研究および応用研究を実施する。 
●概要
 研究活動に参画するために必要な基本的知識、技能、態度について学んだ後、文献調査を通して研究目的と学術的意義を理解し、研究を進展させる能力を涵養する。また、その過程において、創造の喜びと研究の醍醐味を体験することができる。
●一般目標(GIO) 
 研究を自ら実施できるようになるために、研究課題の達成までのプロセスを体験し、研究活動に必要な知識、技能、態度を修得する。
●到達目標(SBOs) 
 1.研究課題に関連するこれまでの研究成果の問題点を抽出できる。
 2.研究課題に関連する論文を読み、理解できる。
 3.実験計画を立て、実験を実施できる。
 4.研究の結果をまとめることができる。
 5.研究の結果を考察し、評価できる。
 6.研究の結果を発表し、質疑応答ができる。
 7.研究の成果を報告書や論文としてまとめることができる。
授業の方法
担当教員の指導下、特別演習・実習課題に取り組む。
成績評価法
研究成果のプレゼンテーションおよび報告書に基づき、総合的に評価する特別研究報告書や論文等に基づき、総合的に評価する。

教育研究グループ
担当教員
研究テーマ
薬品物理化学
教授 石田 寿昌
准教授 友尾 幸司
講師 尹 康子
(1) 遺伝情報翻訳開始反応機構の解明
 遺伝情報を読みとり、タンパク質の生合成を開始させるのに必要な蛋白質や、その反応を制御する翻訳調節因子等の一連の蛋白質の立体構造をX線結晶構造解析法等により解析し、その生理機能の仕組みを分子レベルで明らかにして翻訳開始反応機構を解明する。 
(2) 認知症に関与するタウ蛋白質の構造と機能の解明ならびに認知症治療薬の開発 
 アルツハイマー型認知症の脳内では、微小管結合蛋白質であるタウ蛋白質の不溶性フィラメント形成が確認される。本来可溶性のタウ蛋白質が不溶性になるメカニズムを、種々の分光学的方法を駆使して構造化学的に解明する。
(3) 放線菌におけるATP結合カセット(ABC)トランスポーター依存型糖取り込み機構の解明
 ABCトランスポーターは、ATPの加水分解によって得られるエネルギーを駆動力として細胞から細胞内へ糖類、アミノ酸等の多様な物質を輸送する。微生物ABCトランスポーターの一つである、放線菌S.thermoviolaceus OPC-520由来xylobiose/xylooligosaccharideトランスポーターは、BxlA、BxlE、BxlFBxlGの4種のタンパク質群からなる。これらの各タンパク質の構造と機能を解析し、本放線菌における糖輸送機構を解明する。
(4) 生理活性物質、特にC−末端アミド化ペプチドの構造と機能に関する研究
 生体内に存在しているペプチド、特にC−末端部分がアミド化されたペプチドには極めて特異な生理活性をしめる化合物が多く存在している。なぜ生理活性の発現にC−末端アミド化が必要かを解明するために、それらの立体構造をNMRやX線などを用いて解析し、その機能との相関について調べる。そして、より高活性な分子を設計する。
(5) 家族性パーキンソン病原因遺伝子産物Parkinにおけるユビキチン様ドメイン(Uld)と26Sプロテアソーム構成サブユニットRpn10と相互作用解析
 常染色体劣性若年性パーキンソン症候群(AR-JP)においてはParkinのUldにおいてアミノ酸置換型変異の存在が確認されている。変異型Parkin-UldとRpn10との相互作用について様々な分光学的手法を用いて解析をおこないAR-JP発症機構を解明する。
分子構造化学
教授 土井 光暢
助教 浅野 晶子
(1) 両親媒性ペプチドの立体構造と機能
 天然に見出されるペプチドで細胞膜に作用点をもつ一群は、疎水性・親水性という単純な物性を組み合わせることで活性を発現する。これらの構造と機能の関係を調べる。
(2) コンホーメーションコントロールについて
 生理活性を有するペプチドの中には、その立体構造がレセプターとの結合に大きな影響を与えることがある。これらのペプチドに化学修飾を行うことで、立体構造を自由に変化させ、さらには活性をもコントロールすることで、アゴニスト、アンタゴニストの開発を行う。
(3) 自己会合能をもつペプチドのβシート構造とゲル化能について
 2〜20の炭素鎖で架橋したアミノ酸またはペプチドは、溶媒をゲル化させる機能を有する。この機能と自己会合したβシート構造の関連についてナノスケールでの解析を行う。
薬品分析化学
教授 三野 芳紀
講師 齊藤 睦弘
講師 佐藤 卓史
(1) 環境汚染物質の分解・無毒化に関する研究
 ・キノコ菌や化学反応(鉄―過酸化水素試薬など)を用いて、ダイオキシン・PCB・医薬品の分解法を開発する。
 ・植物を利用した環境修復法を開発する。  
(2) 身近にある有害物質に関する研究
 ・環境、食品中の有害物質(有機スズ類、重金属)の分析などを行う。
 ・有害物質を体外に排泄させる化合物を探索する。
(3) 生体の鉄取り込み機構に関する研究
 ・蛍光菌及び水質汚濁を引き起こす藻類の鉄取り込み機構を解明する。
 ・食物中に含まれるミネラルの化学形態分析を行う。
 ・鉄の毒作用を調べるとともに、その毒作用を抑制するキレート剤を探索する。
(4) 植物タンパク質の構造に関する研究
 ・フェレドキシンの一次構造解析により、植物の類縁関係を調べる。
 ・ペルオキシダーゼの構造と有害物質分解活性の関係を調べる。
(5) 制がん剤シスプラチンの作用機序に関する研究
シスプラチンおよび関連白金錯体と核酸との相互作用を種々の方法で解析すること、並びに培養がん細胞の状態や機能の変化を生物化学的に解析することにより、アポトーシス誘導を含む作用機序を明らかにするとともに、より優れた制がん剤を開発する。
(6) セレン含有化合物に関する生物無機化学的研究
セレンを含む化合物の合成、分析および抗がん活性、抗酸化活性等の生物活性の検索を行うことにより、有用なセレン化合物を開発するとともに、セレンが必須元素として生体内で多彩な機能を発現する機構を解明する。
(7) 生理活性を有する金属錯体を認識するモノクローナル抗体の調製と応用
Gly-His-Lys-Cu2+のように生理活性を示す金属錯体について、錯体と配位子とをそれぞれ個別に認識するモノクローナル抗体の作成を試み、それらの抗体を対象錯体の生体内での挙動や活性発現機構等の解析に応用する。
(8) 環境中の超微量元素の分析法の開発
生物試料や環境試料中に存在する超微量元素を分離・濃縮し、分析する新しい方法を開発する。
生体機能診断学
准教授 大桃 善朗
助教 平田 雅彦
(1) 新規画像診断薬剤の開発研究
 脳梗塞、アルツハイマー病などの脳神経疾患や、心筋梗塞などの心疾患の早期発見、治療効果の判定などを可能にする、新規PET・SPECT画像診断用放射性診断剤の開発を主な目標に研究を行う。
(2) 脳神経疾患におけるレセプター、酵素の機能変化の画像解析に関する研究
 これまでに当研究室で開発した画像診断剤と、脳神経疾患病態モデル動物などを用いて、これら疾患におけるレセプターや酵素機能変化の画像解析の可能性と、診断への応用について検討する。
(3) 癌の早期画像診断並びに治療効果判定に関する核医学的研究
 培養癌細胞、担癌動物などを用いて、形態のみならず質的に癌の早期診断を可能にする新規放射性画像診断剤の開発と、癌の内用放射線治療薬剤の開発研究を行う。さらに、種々の抗がん剤の画像診断法を用いる治療効果判定の開発について研究を行う。
有機薬化学
教授 春沢 信哉
講師 宇佐美 吉英
(1) ヒスタミンH3及びH4-レセプターリガンドの創製  
 脳内に広く存在するヒスタミンH3-レセプターをブロックする化合物は、アルツハイマー病などの認知症治療薬として期待される。一方、ヒスタミンH4-レセプターは、免疫に関係する新しいヒスタミンレセプターである。そのため特異的なリガンドは少なく、その創製による薬理学的機能の解明が期待されている。当研究室では、2003年に最初のヒスタミンH4アゴニスOUP-16を発表し、さらに有効なH3,H4アゴニスト、アンタゴニストの創製の合成研究に取り組んでいる。
(2) イミダゾールとエストラジオールのハイブリッド化合物の合成研究
 乳癌は女性ホルモンであるエストラジオール(E2)依存性の乳癌である。一方、E2は生体内でHSD1酵素により生合成される。そのためHSD1阻害剤は、乳がんの増殖を抑制することが可能である。イミダゾールとエストラジオールのハイブリッド化合物をデザインし、HSD1阻害活性を調べたところ、用量依存的にHSD1阻害活性を示す物質を見出すことができた。今後さらに構造活性相関のための合成研究を続けている。
(3) RNA触媒(リボザイム)の反応機構の解明のためのホスホロアミダイトの合成研究
 当研究室では、RNAの合成ユニットであるイミダゾールC-ヌクレオシドホスホロアミダイトの合成法を確立し、他の研究グループとともにリボザイムの自己切断活性の反応機構を解明する手法を開発した。今後さらに効率的なヌクレオシドホスホロアミダイトの開発をめざす。
(4) 制がん剤の開発を目指した海洋由来天然有機化合物の合成
 海洋由来抗腫瘍天然物の全合成ならびにその関連化合物の合成を行い、制がん剤あるいは抗ウイルス薬の創製を目指す。また、その際必要となる新規な有機合成反応の開発についても検討する。
(5) 美白作用を有する薬物の開発
 海洋由来真菌代謝物であるシクロペンテノン型チロシナーゼ阻害剤の全合成とその誘導体合成ならびに活性の最適化について研究する。
(6) 有機金属化合物を活用した官能基変換反応の開発
 医薬品を社会に安定供給するために、プロセス化学を指向した新たな反応剤の創製を機軸とする、高効率的な官能基変換反応の開発を目指す。
機能分子創製化学
教授 浦田 秀仁
講師 和田 俊一
(1) 鏡像体核酸の合成とその機能性分子素子としての応用
 DNAやRNAは構成成分として光学活性なD型リボースを有する。その鏡像体であるL型リボースは天然には存在せず、L型リボースから成る核酸は生体内の核酸分解酵素に認識されないことから優れたな安定性を有する。このような鏡像体核酸の生体内安定性を利用して抗HIV剤や各種バイオセンサーなどへの応用を検討している。
(2) 金属イオンが二本鎖DNAの安定性および複製反応に及ぼす影響
 DNAは、核酸塩基間の水素結合を介して二重らせん構造を形成する。一方で、核酸塩基は様々な金属イオンと結合するという性質を持ち、近年、金属イオンを介した塩基対を形成することも報告されている。当研究室では、様々な金属イオンと核酸塩基の組み合わせで形成され得る塩基対の安定性やDNAポリメラーゼによる複製反応に及ぼす影響を調べている。
(3) 糖部修飾核酸の合成法の開発とRNA干渉など生体反応制御分子としての応用
 アンチセンス法やRNA干渉法は特定の遺伝子発現を抑制する方法で、疾病の治療や遺伝子のノックダウンに応用されている。しかし、効果的に作用を発揮するには生体内の各種分解酵素に対する安定性が重要となる。そこで、糖部修飾核酸の合成法を開発し、生体内で安定性向上を目指した核酸アナログの合成とそのin vitroでの遺伝子発現抑制効果の検討を行っている。
(4) 二重鎖DNAを不斉源とする不斉合成法の開発
 DNAの二重らせん構造は不斉場を形成しており、不斉(立体選択的)合成を行う際の不斉源となり得る可能性がある。そこで、不斉リガンドとして種々の短鎖DNA断片を化学合成し、二重鎖DNA上での不斉合成反応について検討を行っている。
(5) RNAの化学進化とホモキラリティーの確立過程のモデル構築
 地球上生物の核酸を構成するリボースは例外なくD型であるが、原始地球上で非生物的に合成されたヌクレオチドはラセミ体であったと考えられている。このラセミ体からのL型ヌクレオチドの淘汰が生命誕生に必須であったと考えられているが、その過程は生物学に残された大きな謎とされている。当研究室ではL型ヌクレオチドを化学合成し、その化学的性質の観点から、この「大きな謎」を解明する糸口をつかむべく取り組んでいる。
(6) 細胞内移送能を有するキャリアペプチドの開発
 タンパク質、核酸、多糖類などの極性高分子化合物は、疎水性である細胞膜を容易に通過し、細胞内に入ることができない。これらの分子を細胞内に移送する機能を有するペプチドを設計・合成し、そのin vitro細胞評価を行っている。
(7) キャリアペプチドの核酸医薬品細胞内デリバリーツールとしての応用
 アンチセンスやsiRNAなどの遺伝子治療に用いられる核酸分子とキャリヤペプチドとの複合体の効率的合成法を検討している。さらに、その複合体の細胞膜透過性や遺伝子のノックダウン効果などのin vitro細胞評価を行っている。
(8) ポリフェノール類の合成
 ポリフェノール類は、生活習慣病の予防、抗がん、抗菌、抗ウィルス作用などの多様な生理活性が報告されている。酸化的フェノールカップリングを用いてポリフェノール類の効率的合成法を確立し、合成した種々のポリフェノール類の生理活性評価を行っている。
医薬品化学
教授 田中 麗子
講師 山田 剛司
(1) マツ科、トウダイグサ科、センダン科植物の含有する新規トリテルペン、新規リモノイドの絶対立体構造
(2) 白樺を侵食する腐朽菌の産生する成分の化学構造
(3) 創薬を目的としたトリテルペンと抗酸化剤のhybridsに関する研究
(4) 上記化合物の生理活性: in vitro, in vivo発癌プロモ−ション抑制活性、抗HIV活性、P388, L-1210, HL-60に対する細胞増殖阻害活性、細胞接着阻害活性
(5) 海洋生物由来菌類の産生する新規細胞毒性物質に関する探索研究
生薬科学
教授 馬場 きみ江
准教授 谷口 雅彦
講師 芝野 真喜雄
(1) セリ科、ジンチョウゲ科植物の抗腫瘍活性成分の探索および構造解析に関する研究
(2) 植物中のグルコシダーゼ阻害活性成分の検索と特異的阻害剤の開発研究
(3) 抗HIV活性を指標としたガガイモ科由来のステロイド誘導体に関する研究
(4) ミカン科植物果実の抗アレルギー作用に関する研究
(5) 生薬・漢方製剤中の循環器系作用成分の探索に関する研究
生化学
准教授 井上 晴嗣
講師 藤井 忍
(1) リン脂質加水分解酵素の触媒機能の解明
 リン脂質加水分解酵素を生体から精製、もしくは、大腸菌を用いた発現系を構築して精製し、酵素反応速度論に基づいて種々の実験を行うことにより、どのような反応機構で酵素が基質に作用するのかを明らかにする。
(2) リン脂質加水分解酵素の低分子阻害剤による阻害機構の解明
 低分子の酵素阻害物質、特に基質と構造のよく似た化合物や金属イオンを用い、酵素反応に対する阻害作用、およびその物質と酵素との結合を酵素反応速度論に基づいて解析することにより、酵素と阻害物質との結合様式を明らかにする。
(3) ホスホリパーゼA2阻害タンパク質の構造と阻害機構の解明
 本研究室で発見した3種類のホスホリパーゼA2阻害タンパク質について、大腸菌による組換えタンパク質の大量発現とX線結晶解析、部位特異的変異体を用いたホスホリパーゼA2との相互作用の解析などを通じて阻害機構を明らかにする。
(4) 脳アストログリア細胞における神経栄養因子生合成に関わる物質とそのシグナル伝達機構の解明
 マウス脳アストログリア細胞を培養し、細胞が分泌する神経栄養因子の量を増加させる物質を探索するとともに、その生合成に関わるシグナル伝達機構を解明することにより、神経の萎縮・損傷を主徴とする疾患に対する治療薬開発への応用を目指す。
(5) ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)の機能解明
 ほ乳類の血液中に存在するLRGは毒ヘビ血液中に存在するホスホリパーゼA2阻害タンパク質と相同性を示す。現在LRGノックアウトマウスを作製中であり、その表現形を野生型と比較することによってLRGの機能を明らかにする。     
微生物学
教授 辻坊 裕
講師 宮本 勝城
助教 土屋 孝弘
(1) 環境微生物:バイオマスの有効利用を目的とするキチンおよびキシラン分解機構に関する分子生物学的研究
(1)海洋細菌のキチン分解機構に関する分子生物学的研究
(2)好熱性放線菌のキチン・キシラン分解機構に関する分子生物学的研究
(3)海洋細菌および好熱性放線菌のドラフトゲノム解析
(2) 病原微生物:感染症治療薬の開発を目的とする病原微生物による疾病発症機構に関する分子生物学的研究
(1)病原細菌の宿主生体中における生存および増殖機構の解明
(2)病原細菌の病原性発現に関与するシグナル伝達機構
(3)病原細菌に対する免疫応答の解析
生体機能解析学
教授 高岡 昌徳
講師 坂口 実
(1) 癌細胞の増殖に対する薬物の効果とそのメカニズム 
 乳腺癌あるいは胃癌細胞の増殖を抑制する新規な化合物を検索し、作用メカニズムを解明してその有用性を検討する。
(2) プロリルオリゴペプチダーゼの細胞生物学的役割 
 培養細胞の細胞周期制御におけるプロリルオリゴペプチダーゼの機能を解析し、細胞の増殖における本酵素の役割を解明する。
(3) 細胞の生存や傷害の保護および分化促進活性を有する化合物の探索 
 生薬や日常摂取する食品、機能性食品、サプリメントなどに含有されている化合物について、培養細胞の増殖・生存・分化・死に及ぼす影響を検討して、制癌作用や細胞死抑制作用または細胞機能を維持する効果を示すものを探索し、その有用性を検討する。
生体防御学
教授 天野 富美夫
講師 藤森 功
(1) マクロファージ活性化機構の研究
 グラム陰性菌リポ多糖(LPS)およびDNAを用いたマクロファージの活性化機構を分子レベルで生化学的に明らかにする。
1)LPSによるマクロファージのアポトーシスの誘導とその調節機構の研究
2)マクロファージ活性化におけるプロスタグランジンE2(PGE2)のレセプターを介した調節機構の研究
3)マクロファージ活性化を指標にした抗炎症作用物質、免疫調節物質の探索研究
4)マクロファージの破骨細胞への分化誘導調節機構の研究
(2) 食中毒原因菌(サルモネラ、リステリアなど)の病原性発現機構の研究
 マクロファージ細胞内で増殖するこれらの食中毒原因菌の病原性発現機構を細菌側の因子とマクロファージの応答性に焦点を当てて分子レベルで明らかにする。
5)サルモネラの新規病原性関連タンパク質、SEp22の発現調節機構に関する研究
6)サルモネラの新規病原性関連タンパク質、SEp22の構造と機能に関する研究
7)マクロファージの活性酸素、一酸化窒素による殺菌機構の研究
(3) 細菌のストレス応答機構に関する研究
 大腸菌のATP依存性プロテアーゼの活性発現調節機構と基質タンパク質の相互作用を細菌のストレス応答と関連させて明らかにする。また、環境中の微生物の環境ストレス応答と宿主への感染による病原性の発現機構の関係を明らかにする。
8)遺伝子組換えSulAタンパク質を用いた、ATP依存性プロテアーゼLonの基質SulA分解調節機構の研究
9)ATP依存性プロテアーゼLonの活性発現調節機構の研究
10)好気的条件下における細菌の増殖と酸素ストレス応答の調節機構の研究
11)サルモネラの新規病原因子の研究
12)サルモネラのワクチンの開発に関する研究
(4) 内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)による免疫系の障害機構の研究
 トリブチルスズ(TBT)などの内分泌撹乱化学物質が免疫系に及ぼす障害作用を細胞レベルで生化学的に研究し、感染症予防機構に対する影響を評価する。
13)マウスマクロファージの脂質代謝機能に及ぼすTBTの影響の研究
14)ヒト単球系細胞株U937の分化及び機能発現に対するTBTの影響とヒト乳中成分による調節機構の研究
15)TBTによる単球/マクロファージのカルシウムシグナリングとアポトーシスの誘導機構の研究
(5) 腎メサンギウム細胞の炎症応答機構の研究
 ラット腎臓由来メサンギウム細胞のLPSや細菌由来DNAに対する応答性とその調節機構を明らかにする。
16)正常時および病態時の腎臓におけるメサンギウム細胞のToll-like receptor 9 (TLR9)の機能と発現調節機構の解析
17)糸球体腎炎の発症におけるメサンギウム細胞の機能に関する研究
(6) アラキドン酸とプロスタグランジンの代謝による細胞機能の調節に関する研究
 マクロファージやメサンギウム細胞、上皮細胞等における炎症刺激や感染に対するアラキドン酸ならびにプロスタグランジンの代謝を解析し、その調節機構を研究する。
18)アラキドン酸代謝産物によるシグナル伝達機構のクロストークに関する研究
19)プロスタグランジンE2受容体分子の発現と機能に関する研究
(7) 発がんの制御に関する研究
 がん遺伝子の発現調節、がん細胞に対する特異的な抗体の開発、及び免疫賦活化による発がんの制御を行う。
20)がん遺伝子の発現抑制とアポトーシスの誘導による発がん抑制
21)ヒトスキルス胃がん細胞に対する特異抗体の開発と診断・治療への応用
22)マクロファージ活性化・NK細胞活性化を介した免疫系の賦活化と発がん抑制
(8) 脂質メディエーターの産生制御機構に関する研究
 脂質メディエーターの産生を制御する分子メカニズムを明らかにする。
23)プロスタグランジン合成酵素の活性化と分解に関する研究 
24)プロスタグランジンE合成酵素の遺伝子発現調節機構の解明
(9) 脂肪細胞の成熟化(肥満)制御機構に関する研究
 脂肪細胞の成熟化(脂肪滴蓄積)を制御するメカニズムを明らかにし、肥満を防止する薬剤を開発する。
25)プロスタグランジン類による脂肪細胞分化調節機構の解明
26)脂肪細胞の分化を調節する新規タンパク質の同定と解析
27)脂肪細胞で発現する新規プロスタグランジンF合成酵素の生化学的・分子生物学的解析
28)多能性幹細胞から脂肪細胞・骨芽細胞への分化制御に関する研究
29)新しい肥満モデルマウスの解析と抗肥満薬の開発
(10) 機能性RNAに関する研究
 タンパク質をコードしていないにもかかわらず転写されるnon-coding RNA(ncRNA)を同定し、機能を解明する。
30)タンパク質の発現レベルを調節する新規ncRNAの同定と機能解析
31)新規micro RNA (miR-648)の機能解明
環境分子生理学
教授 藤本 陽子
准教授 佐久間 覚
(1) 活性酸素・過酸化脂質の生成と消去に関する研究
 肝臓キサンチンデヒドロゲナーゼを精製し、本酵素の活性酸素産生型(キサンチンオキシダーゼ)への変換因子、ならびにその変換の抑制因子を追求することにより、生体内での活性酸素産生調節機構の解明を試みる。
(2) アラキドン酸由来生理活性物質の産生調節機構に関する研究
 シクロオキシゲナーゼ1および2、リポキシゲナーゼの活性ならびに遺伝子レベルに対する各種生体内物質および薬物の影響を検討することにより、動脈硬化症や炎症性疾患の発症と進展の機構の解明ならびにその発症を防御する薬物の開発を試みる。
(3) 生活習慣病を誘発する肥満の分子機構に関する研究
 培養細胞系およびin-vivoの系を用いて、脂肪細胞の増殖・分化における生体内調節機構を解明し、それを防御する薬物の開発を試みる。
(4) 糖尿病における酸化ストレスの発生と防御に関する研究
 糖尿病における血中や尿中の8−ヒドロキシデオキシグアノシンを測定し、その病態下での酸化状態の把握と、さまざまな薬物を投与することにより酸化傷害の防御策や改善策を検討する。
(5) 肝臓および大腸における新規制がん剤の開発
 肝臓癌あるいは大腸癌細胞の増殖に対する脂質関連物質の影響を細胞ならびに分子レベルで明らかにし、新規制がん剤の創製を試みる。
(6) 環境汚染物質の生体影響に関する研究
 内分泌かく乱化学物質、多環芳香族炭化水素、重金属などの毒性発現機構の解明ならびにそれらの毒性に対する防御策や改善策を検討する。
薬剤学
教授 掛見 正郎
講師 岩永 一範
講師 宮崎 誠
(1) 薬物のPK-PD解析に基づいた最適投与計画の設計
 薬物投与後の薬理効果の時間的変化は、薬物の生体内動態とは必ずしも一致しない。そこで薬物の生体内動態と薬理効果の時間的変化を数学的モデル を用いて関連づけ(PK-PD解析)、薬効の時間的推移の予測を行うことで、薬物のより安全で有効な(最適)投与計画の設計を行う。
(2) 日内変動を考慮した薬物の最適投与計画の設計
 薬物に対する生体の反応(薬理作用)は、各種生体恒常系によって著しく影響を受けるが、これまでこれらを考慮した薬物投与計画の設定や、製剤設計はほとんど行われてこなかった。本研究はPK-PD解析の手法を用いて、これら生体恒常系の日内変動をも考慮に入れた、薬物の新しい最適投与計画の設定を行う。
(3) 難水溶性薬物の消化管吸収機構に基づいた新規脂質分散系DDS製剤の開発
 近年、顕著に増加している難水溶性医薬品候補化合物は、脂質分散系製剤を用いれば消化管から吸収されることが知られているが、この吸収機構の詳細はまだ明らかにされていない。本研究は、これら機構を明らかにすることにより、より合理的な製剤化の方法を追究し新規脂質分散系DDS製剤の開発を行う。
(4) Pegylation技術を応用した難水溶性薬物の消化管吸収改善に関する研究
 近年、タンパクやペプチド性薬物分子に水溶性高分子ポリエチレングリコールを結合させることにより生体内半減期の延長を可能とするPegylation技術を応用した難水溶性薬物の消化管吸収改善に関する研究技術が向上している。本研究では、Peglylationによる溶解性改善効果に着目し、難水溶性薬物にPeglyationを行うことにより溶解性を改善し、消化管吸収性の改善をはかる新規DDS医薬品の開発を試みる。
(5) 小腸CYP3AとP-gp(P糖タンパク質)のinterplayによる薬物排出機構に関する研究
 小腸上皮細胞にはP-gp及びCYP3Aが発現しており、両者は協調して薬物を小腸上皮から管腔内へと排出してしまう。本研究では、両者による協調的薬物排出機構を明らかにすることにより薬物経口投与後のバイオアベイラビリティ改善の方法を探索する。
(6) セリ科生薬含有フラノクマリンが小腸及び血液脳関門発現P-glycoprotein活性に及ぼす影響
 キョウカツやビャクシに代表されるセリ科植物には、P-glycoprotein(P-gp)阻害活性を示すことが知られているフラノクマリン類が含有されている。そのため、これらを原料とする漢方医薬品とP-gp基質となる西洋薬を併用するとP-gp阻害により西洋薬の体内動態が変化する可能性がある。本研究はこれら両者を併用した際の小腸及び血液−脳関門(BBB)発現P-gpにおける相互作用を明らかにする。
病態分子薬理学
教授 松村 靖夫
講師 大喜多 守
(1) 内皮由来血管収縮ペプチド、エンドセリンの産生調節機構
 ブタおよびヒトの培養血管内皮細胞を用い、エンドセリン産生調節機構について、遺伝子発現および転写調節機構の観点から検討している。
(2) 種々循環器疾患の発症と進展機構におけるエンドセリンの病態学的役割
 おもにラットを用いて、高血圧、急性および慢性腎不全、虚血性心臓疾患および脳血管障害などの実験的モデル動物を用いて、病態の発症と進展における様々な生体因子の役割をエンドセリンを中心に、検討している。
(3) 腎交感神経活動とその調節機構
 麻酔動物を用いて、腎交感神経活動・腎交感神経からのノルエピネフリン放出と腎機能変化におよぼす種々の生理活性物質、たとえばNO、さらには各種薬物の影響について検討している。
(4) 循環器疾患と性差
 虚血性腎障害、血管肥厚並びに動脈硬化モデルなどを用いて、病態の発症・進展における性差メカニズムについて検討している。
(5) 虚血性腎障害におけるプロテオーム解析
 腎虚血再灌流モデルにおけるプロテオーム解析から腎障害の発症・進展に関わるタンパク分子の同定を目指している。
(6) 抗酸化性機能性食品素材の新規生理活性に関する研究
 セサミンの抗高血圧作用やフラバンジェノールの血流改善効果などのメカニズム解明を目指している。
薬品作用解析学
准教授 大野 行弘
講師 河合 悦子
(1) 精神神経疾患の薬物治療研究
 統合失調症、抑うつ・不安障害、パーキンソン病、てんかん等の精神神経疾患を対象に、病態ならびに薬物治療に関する研究を進め、臨床上の問題点を克服できる治療法を提案する。
(2) 中枢ドーパミンおよびセロトニン神経系の機能解析研究 
 精神・運動機能の調節における脳内ドーパミンおよびセロトニン受容体の役割とその制御メカニズムを、行動薬理学的・電気生理学的・神経化学的手法を用いて解析し、薬物治療への新たな応用法を提案する。     
(3) 腎不全の病態・薬物治療研究
 慢性腎不全モデル動物を用いて、腎間質線維化発症メカニズムを解析し、その病態の成り立ちや薬物療法のあり方を検討する。
(4) 薬品作用解析研究
 中枢神経作用薬、腎臓作用薬などについて、その薬効薬理作用および副作用を解析し、安全かつ有効な薬物治療法を提案する。
臨床薬剤学
教授 田中 一彦
准教授 井尻 好雄
助教 加藤 隆児
(1) 「医薬品の適正使用のための研究」
 ・ヒトにやさしい薬に関する研究(臨床的研究と基礎的研究の融合)
 ・医薬品の重大な副作用のメカニズムに関する研究
 ・相互作用(薬物-薬物、薬物-食品)に関する研究
臨床化学
教授 藤田 芳一
助教 山口 敬子
(1) 新規有機試薬の合成とその構造解析並びに分析化学への応用に関する研究
 キサンテン系色素をはじめとする新規有機試薬の合成と精製、更にはその特性と化学構造の探索並びに新規有機試薬の分析化学への応用などについて検討します。
(2) 病態関連物質の測定法の開発に関する研究
 病態と関連する種々の物質(腫瘍マーカー、腎疾患マーカー、金属イオン、活性水素、糖類など)の新規高感度分析法の開発とその応用などについて検討します。
(3) 新規光プローブの創製とその応用に関する研究
 細胞が生きたままの状態で特定の生理活性物質の動的な濃度変化をリアルタイムに測定できるバイオイメージングに利用できる新規光プローブの創製とその応用について精査します。
臨床実践薬学
教授 荒川 行生
准教授 恩田 光子
(1) 薬剤師機能に関するアウトカムリサーチ
 病院および薬局における薬剤師の薬学的介入(クリニカルパス、疑義照会、薬剤使用評価、服薬指導、相談応需業務など)による、患者アウトカム、臨床的アウトカムおよび経済的アウトカムを検証する。
(2) 薬剤使用評価研究
 (例)病院集中治療部(ICU)における人工呼吸器関連肺炎(VAP)の発生状況の把握と、治療薬の効果的使用について調査研究する。
(3) 薬局機能に関する研究
 地域医療(在宅医療を含む)における薬局の役割や機能を拡充するための具体的方法について、試行および評価を行う。
(4) 薬局におけるリスクマネジメントに関する研究
 薬局において発生している様々なリスクの把握と、実効性のある対策の立案、実践および効果の検証を行う。
(5) 医療(薬剤)経済学的研究
 特定の疾患を対象とした医薬品の使用に関する医師の処方意思決定と実際の処方状況、およびその社会医学的成果(人々のWell-beingを含む)の分析を行う。
(6) 薬剤師業務関連の基礎的研究
 (例)薬物および生体成分の微量定量法の確立とその応用、臨床的医薬品情報(システム)の構築とその活用、非市販医薬品の院内製剤化などにつて研究を行う。
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