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薬局方総論  [Introdaution to the Japanese Pharmacopoeia]

開講情報
4年次 前期 薬科学科:1.5単位 必修(☆印は担当代表者)
担当教員
☆ 教授 掛見 正郎 講師 岩永 一範 講師 芝野 真喜雄
講師 佐藤 卓史    
備考
授業の目的と概要
 近年の医薬品開発にはめざましいものがあり、医療に大きく貢献している。しかし、一方では重篤な副作用による深刻な有害作用も発生している。医薬品の有効性と安全性が保証されるためには、医薬品としての優良な品質が確保され、使用方法が適切であることが必要である。医薬品の品質はそれぞれに設定された規格と試験方法で保証され、適切な使用方法は臨床試験によって確立される。薬局方は医薬品の品質とその品質を試験する方法を定めた公定の規格書であり、世界の数十カ国において制定されている。このうち日本薬局方は薬事法第41条第1項の規定に基づき、「医療上重要であると一般的に認められている医薬品の性状及び品質についての基準」をわが国が定めた公定書である。現行の日本薬局方は、平成18年3月31日厚生労働省告示285号による「第15改正日本薬局方(The Japanese Pharmacopoeia Fifteenth Edition」である。日本薬局方は、その時点での学問・技術の進歩と医療需要に応じて、わが国の医薬品の品質を確保するために必要な公的基準を示すものであり、医薬品全般の品質を総合的に保証するための規格及び試験法の標準を示すとともに、医療上重要とされる医薬品の品質等に係る判断基準を明確にする役割を有している。したがって、医薬品の製造、販売、使用に当たって日本薬局方は最も基本となる公定書であって、薬剤師にとってこれを理解し、有効に活用することは極めて重要である。本講義では、まず「通則」で薬局方全体にかかわる規則、定義、適否の判定基準などを示し、「製剤総則」で製剤に関する一般的規則と個々の剤形についての定義、製法、基準などを講述する。ついで、「生薬総則」では生薬の一般的な扱いや定義及び生薬総則と生薬試験法の適用を受ける生薬の種類を示し、「一般試験法」では、収載医薬品に共通して用いられる試験法、医薬品の品質評価に有用な試験法、標準品、標準液、試薬・試液、用器などを講述する。また医薬品各条では、収載医薬品の規格、試験方法、貯法について具体的に学ばせる。このように薬剤師をはじめとした医療関係者には、ここに示した医薬品の品質の他に、薬効、適用方法、服薬指導、更にはその基礎をなす副作用、薬物動態、相互作用などについても最新の情報を得ておく必要があり、これら関連科目と総合的に学んでおくことが望ましい。
●一般目標(GIO)
(1)試料中に存在する物質の種類および濃度を正確に知るために、代表的な医薬品、その他の化学物質の定性・定量法を含む各種の分離分析法の基本的知識と技能を修得する。
(2)医薬品の用途に応じた適切な剤形を調製するために、製剤の種類、有効性、安全性、品質などに関する基本的知識と、調製を行う際の基本的技能を修得する。
(3)医薬品開発と生産の実際を理解するために、医薬品創製と製造の各プロセスに関する基本的知識を修得し、社会的重要性に目を向ける態度を身につける。
●到達目標(SBOs)
【定性試験】
1)代表的な無機イオンの定性反応を説明できる。
2)日本薬局方収載の代表的な医薬品の確認試験を列挙し、その内容を説明できる。
3)日本薬局方収載の代表的な医薬品の純度試験を列挙し、その内容を説明できる。
【定量の基礎】
1)実験値を用いた計算および統計処理ができる。(技能)
2)医薬品分析法のバリデーションについて説明できる。
3)日本薬局方収載の重量分析法の原理および操作法を説明できる。
4)日本薬局方収載の容量分析法について列挙できる。
5)日本薬局方収載の生物学的定量法の特徴を説明できる。
【容量分析】
1)中和滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。
2)非水滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。
3)キレート滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。
4)沈殿滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。
5)酸化還元滴定の原理、操作法および応用例を説明できる。
6)電気滴定(電位差滴定、電気伝導度滴定など)の原理、操作法および応用例を説明できる。
7)日本薬局方収載の代表的な医薬品の容量分析を実施できる。(技能)
【生薬の同定と品質評価】
1)日本薬局方の生薬総則および生薬試験法について説明できる。
2)代表的な生薬を鑑別できる。(技能)
3)代表的な生薬の確認試験を実施できる。(技能)
4)代表的な生薬の純度試験を実施できる。(技能)
5)生薬の同定と品質評価法について概説できる。
【代表的な製剤】
1)代表的な剤形の種類と特徴を説明できる。
2)代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
3)代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
4)代表的な液状製剤の種類と性質について説明できる。
5)代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
6)エアゾール剤とその類似製剤について説明できる。
7)代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
8)代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
【製剤化】
1)製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
2)単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
3)汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
【製剤試験法】
1)日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
2)日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
授業の方法
講義
●準備学習や授業に対する心構え
●オフィス・アワー 
随時
成績評価法
試験
教科書
書名 著者名 出版社名
『第15改正日本薬局方解説書』 廣川書店
参考書
書名 著者名 出版社名
『第16改正日本薬局方(改正原案)』 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
授業計画
項目 授業内容
1 薬局方総論 医薬品開発における国際的ハーモナイゼーション(ICH)について概説できる。
具体的には、日本薬局方の成り立ちとその内容、世界の主要な薬局方(アメリカ薬局方、ヨーロッパ薬局方、国際薬局方など)、薬局方国際調和会議
2 通則 試料中に存在する物質の種類および濃度を正確に知るために、代表的な医薬品、その他の化学物質の定性・定量法を含む各種の分離分析法の基本的知識と技能を修得する。
具体的には、日本薬局方全体にかかわる規則、定義、適否の判定基準など
3 製剤総則(1) 代表的な剤形の種類と特徴を説明できる。
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、製剤通則:製剤に関する一般的規則と個々の剤形についての定義、製法、基準などを解説する。
4 製剤総則(2) 代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
代表的な液状製剤の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、製剤各論(錠剤などの固形製剤、軟膏剤などの半固形製剤とそれらに関連する製剤試験法)などを解説する。
5 製剤総則(3) 代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、製剤各論(注射剤などの無菌製剤とそれらに関連する製剤試験法、滅菌法、無菌操作法、生物学的試験法/生化学的試験法/微生物学的試験法)などを解説する。
6 製剤総則(4) 代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、製剤各論(貼付剤を含む外用製剤とそれらに関連する製剤試験法)などを解説する。
7 製剤総則(5) 日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、製剤各論(その他製剤とそれらに関連する製剤試験法)などを解説する。
8 生薬総則 日本薬局方の生薬総則および生薬試験法について説明できる。
代表的な生薬を鑑別できる。(技能)
代表的な生薬の確認試験を実施できる。(技能)
代表的な生薬の純度試験を実施できる。(技能)
生薬の同定と品質評価法について概説できる。
具体的には、局方における生薬の一般的な取り扱い、定義、生薬試験法、生薬の微生物限度試験法を解説する。
9 一般試験法(1) 日本薬局方収載の代表的な医薬品の確認試験を列挙し、その内容を説明できる。
日本薬局方収載の代表的な医薬品の純度試験を列挙し、その内容を説明できる。
日本薬局方収載の重量分析法の原理および操作法を説明できる。
医薬品分析法のバリデーションについて説明できる。
具体的には、粉体物性測定法を解説する。
10 一般試験法(2) 汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
具体的には、容器・包装材料試験法を解説する。
11 一般試験法(3) 日本薬局方収載の容量分析法について列挙できる。
具体的には、特に化学的試験法(アルコール数測定法、ヒ素試験法、鉱油試験法など)を解説する。
12 一般試験法(4) 日本薬局方収載の代表的な医薬品の容量分析を実施できる。(技能)
具体的には、物理的試験法(1)クロマトグラフィーを解説する。
13 一般試験法(5) 日本薬局方収載の代表的な医薬品の容量分析を実施できる。(技能)
具体的には、物理的試験法(2)分光学的測定法を解説する。
14 一般試験法(6) 日本薬局方収載の代表的な医薬品の容量分析を実施できる。(技能)
具体的には、物理的試験法(3)その他を解説する。
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