トップページへ

剤形設計学  [Development of Dosage Forms]

開講情報
3年次 後期 1.5単位 必修(☆印は担当代表者)
担当教員
☆ 教授 掛見 正郎 講師 岩永 一範  
備考
授業の目的と概要
 薬物療法を行うとき、患者に使用されるのは「薬物」そのものではなく薬物に「剤形」を施した「薬剤(製剤)」である。薬物に剤形を施すことを「製剤化」と呼んでいるが、この製剤化によって医薬品の使用を確実、安全にすることができるが、これ以外に薬物自体の安定性の向上、均質性の保持、吸収、分布、代謝、排泄の改善、ひいては薬効の最適化まで企図されている。近年製剤技術の高度化に伴い精密な製剤機能を付与された製剤の開発が進んでいる。中でも放出速度を制御した経口投与製剤、外用剤、筋肉内投与剤などが実用化されており、さらに特定の組織、臓器、細胞への効率的な到達を狙ったターゲティング製剤、難吸収性薬物の吸収促進剤、プロドラッグなども続々開発されつつある。これらの技術を総称して Drug Delivery System (DDS) と呼んでいる。「剤形設計学」ではまず従来型製剤である固形製剤(錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤など)、半固形製剤(軟膏剤など)、液状製剤(注射剤、点眼剤、液剤など)、その他製剤の、製法、性状、製造機械並びにそれらに含まれる添加剤について講述し、あわせて日本薬局方一般試験法(製剤試験法)についても言及する。次にDDSの概念について述べ、プロドラッグ、コントロールドリリース製剤、ターゲティング、吸収促進剤等について、最新の具体例を示しながら解説を行う。この科目は、「薬物動態学1」、「薬物動態学2」、「「薬物動態学3」、「臨床薬物動態学」、「薬局方総論」と密接に関連しているので、これらを総合的に学習することが望ましい。
●一般目標(GIO) 
(1)製剤化の方法と意義を理解するために、薬物と製剤材料の物性、医薬品への加工、および薬物送達システムに関する基本的知識と技能を修得する。
(2)医薬品の用途に応じた適切な剤形を調製するために、製剤の種類、有効性、安全性、品質などに関する基本的知識と、調製を行う際の基本的技能を修得する。
(3)薬物治療の有効性、安全性、信頼性を高めるために、薬物の投与形態や薬物体内動態の制御法などを工夫したDDS に関する基本的知識を修得する。
(4)将来、医薬品開発と生産に参画できるようになるために、医薬品開発の各プロセスについての基本的知識を修得し、併せてそれらを実施する上で求められる適切な態度を身につける。
●到達目標(SBOs) 
【代表的な製剤】
1)代表的な剤形の種類と特徴を説明できる。
2)代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
3)代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
4)代表的な液状製剤の種類と性質について説明できる。
5)代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
6)エアゾール剤とその類似製剤について説明できる。
7)代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
8)代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
【製剤化】
1)製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
2)単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
3)汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
【製剤試験法】
1)日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
2)日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
【DDS の必要性】
1)従来の医薬品製剤の有効性、安全性、信頼性における主な問題点を列挙できる。
2)DDS の概念と有用性について説明できる。
【放出制御型製剤】
1)放出制御型製剤(徐放性製剤を含む)の利点について説明できる。
2)代表的な放出制御型製剤を列挙できる。
3)代表的な徐放性製剤における徐放化の手段について説明できる。
4)徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質について説明できる。
5)経皮投与製剤の特徴と利点について説明できる
6)腸溶製剤の特徴と利点について説明できる。
【ターゲティング】
1)ターゲティングの概要と意義について説明できる。
2)代表的なドラッグキャリアーを列挙し、そのメカニズムを説明できる。
【プロドラッグ】
1)代表的なプロドラッグを列挙し、そのメカニズムと有用性について説明できる。
【その他のDDS】
1)代表的な生体膜透過促進法について説明できる。
【医薬品開発のコンセプト】
1)医薬品開発を計画する際に考慮すべき因子を列挙できる。
【医薬品の製造と品質管理】
1)GLP(Good Laboratory Practice)、GMP (Good Manufacturing Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GPMSP (Good Post-Marketing Surveillance Practice)の概略と意義について説明できる。
授業の方法
基本的には板書を中心として、教科書に『わかりやすい物理薬剤学第4版』を使用する。必要に応じてプリントやパワーポイントを用いて講義する場合がある。
●準備学習や授業に対する心構え
●オフィス・アワー 
随時。
成績評価法
試験により評価する。
教科書
書名 著者名 出版社名
『わかりやすい物理薬剤学第4版』 辻 彰 (編) 廣川書店
参考書
書名 著者名 出版社名
『第15改正日本薬局方解説書』 日本公定書協会 (編) 廣川書店
『第16改正日本薬局方(改正原案)』 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
授業計画
項目 授業内容
1 総論 代表的な剤形の種類と特徴を説明できる。
医薬品開発を計画する際に考慮すべき因子を列挙できる。
GLP(Good Laboratory Practice)、GMP (Good Manufacturing Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GPMSP (Good Post-Marketing Surveillance Practice)の概略と意義について説明できる。
2 固形製剤(1) 代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、散剤、顆粒剤とその製法。用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される散剤、顆粒剤の製剤試験
3 固形製剤(2) 代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、錠剤とその製法。用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される錠剤の製剤試験
4 固形製剤(3) 代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の固形製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、カプセル剤とその製法。用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定されるカプセル剤の製剤試験。
その他の固形製剤とその製法。用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される製剤試験
5 半固形製剤(1) 代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の半固形製剤に関連する試験法を列挙できる。日本薬局方の半固形製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、軟膏剤とその製法。軟膏基剤の種類とその性状。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される軟膏剤の製剤試験
6 半固形製剤(2) 代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の半固形製剤に関連する試験法を列挙できる。日本薬局方の半固形製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、坐剤とその製法。坐剤に用いられる基剤の種類とその性状。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される坐剤の製剤試験
7 無菌製剤(1) 代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の無菌製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の無菌製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、注射剤の種類、その製法。製造条件、用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される注射剤の製剤試験、無菌試験その他。
8 無菌製剤(2) 代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の無菌製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の無菌製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、点眼剤の種類、その製法。製造条件、用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される点眼剤の製剤試験、無菌試験その他。眼軟膏とその製法。製造条件、用いられる軟膏基剤。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される眼軟膏の製剤試験、無菌試験その他。
9 その他の製剤 代表的な液状製剤の種類と性質について説明できる。
エアゾール剤とその類似製剤について説明できる。
製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる。(技能)
代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
日本薬局方の製剤に関連する代表的な試験法を実施し、品質管理に適用できる。(技能)
具体的には、日本薬局方製剤総則に収載されている各種製剤とその製法。用いられる製剤機械。添加剤の種類、目的、性状。日本薬局方に規定される製剤試験。
10 DDS(1) 従来の医薬品製剤の有効性、安全性、信頼性における主な問題点を列挙できる。
DDS の概念と有用性について説明できる。
11 DDS(2) 代表的なプロドラッグを列挙し、そのメカニズムと有用性について説明できる。具体的には、プロドラッグの概念。プロドラッグ化の目的、プロドラッグのメカニズム。
12 DDS(3) 放出制御型製剤(徐放性製剤を含む)の利点について説明できる。
代表的な放出制御型製剤を列挙できる。
代表的な徐放性製剤における徐放化の手段について説明できる。
徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質について説明できる。
経皮投与製剤の特徴と利点について説明できる
腸溶製剤の特徴と利点について説明できる。
具体的には、コントロールドリリースの概念。コントロールドリリース化の目的、コントロールドリリースのメカニズム(膜透過制御、マトリックス制御、浸透圧制御)。
13 DDS(4) ターゲティングの概要と意義について説明できる。
代表的なドラッグキャリアーを列挙し、そのメカニズムを説明できる。
具体的には、ターゲティングの概念、ターゲティングの目的、ターゲティングのメカニズム(臓器、組織、細胞ターゲティング)。
14 DDS(5) 代表的な生体膜透過促進法について説明できる。
具体的には、吸収促進剤の概念。吸収促進の目的、吸収促進のメカニズム。
▲PAGE TOP