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衛生薬学2  [Hygienic Sciences 2]

開講情報
2年次 後期 1.5単位 必修
担当教員
教授 藤本 陽子    
備考
授業の目的と概要
 衛生薬学とは、文字に示される如く、生を衛(まも)るという素朴な人類の知恵を、化学をバックボーンとして科学的に体系づけた学問であり、わが国の薬学を特色づける分野として伝統が保たれている。ことに最近は、環境衛生、食品衛生ならびに保健衛生に関する種々の問題が提起され、衛生薬学の領域もますます広範になりつつある。
 生物体を取り巻く地圏、水圏、気圏からなる環境は人間の健康と密接な関係を有するもので、環境中の有害因子を制御することが環境衛生の目的である。人間が自らを生き、そして生活するために必要な衣食住は、文明の発展に伴って多様化し、人間を取り巻く環境も急速に変化してきた。人間は、環境の変化から生じる種々の影響に対処するため、あるいは、種々の病因から健康を維持するために、生活の中に衛生という科学的概念を取り入れ、生命の健全化をはかってきた。しかしながら、生産活動の高度な発展は、20世紀後半において、生活環境を破壊し、健康をおびやかす要因までつくり出すに至った。環境問題は日増しに重要性をおび、もはや全世界の共通課題となっている。すなわち、現代は、公害と環境保全の時代であり、生命現象を細胞レベルで捉え、人間の生存にかかわる環境問題と取り組み、より良い環境を築いていくことは、現代社会に住む我々に残された最も重要な課題の一つであると思われる。
 「衛生薬学2」では、人間生活における身近な問題としての大気と水の環境衛生、ならびに公害に関連した環境問題について講述する。われら人間が生きていくこの環境、only one earth(かけがえのない地球)が一日も早くその望ましい姿を取り戻すことを願いつつ。
●一般目標(GIO)
  人の健康にとってより良い環境の維持と向上に貢献できるようになるために、生活環境や地球生態系と人の健康との関わりについての基本的知識、技能、態度を修得する。本授業では、生態系や生活環境を保全、維持するために、それらに影響を及ぼす自然現象、人為的活動を理解し、環境汚染物質などの成因、人体への影響、汚染防止、汚染除去などに関する基本的知識と技能を修得し、環境の改善に向かって努力する態度を身につけることを目的とする。
授業の方法
教科書およびプリントを用いて、講義形式で授業を行なう。
●準備学習や授業に対する心構え
2〜3回の講義ごとに授業内容の大きな項目と教科書のページ数を提示するので、それに合わせて予習をすることならびに新聞の環境に関する部分に目を通すことが望ましい(一週につき1時間程度)。また、大きな項目ごとに、講義の内容を自らまとめながら復習することが望ましい(一週につき2時間程度)。
●オフィス・アワー 
金曜日の午後4:30〜5:30、B棟3階 環境分子生理学研究室
成績評価法
定期試験(80-90%)ならびに授業への出席状況(10-20%)を総合して評価する。
教科書
書名 著者名 出版社名
『考える衛生薬学』 伊藤誉志男、鈴木和夫、平山昇久 廣川書店
参考書
書名 著者名 出版社名
『国民衛生の動向』 財団法人厚生統計協会 (編集) 財団法人厚生統計協会発行
『環境 循環型社会 白書』 環境省 (編集) 全国官報販売協同組合発売
授業計画
項目 授業内容
1 環境衛生学概説
環境保全と法的規制
四大公害および典型七公害について説明できる。
環境基本法の理念を説明できる。
2 室内環境 室内環境を評価するための代表的な指標を列挙できる。
室内環境と健康との関係について説明できる。
室内環境の保全のために配慮すべき事項について説明できる。
シックハウス症候群について概説できる。
3 大気環境 空気の成分を説明できる。
主な大気汚染物質を列挙し、その測定原理ならびに健康影響について説明できる。
主な大気汚染物質の発生源とその年次推移について説明できる。
4 大気環境 大気汚染に影響する気象要因(逆転層など)を概説できる。
大気汚染を防止するための法規制について説明できる。
5 水環境 原水の種類を挙げ、特徴を説明できる。
水の浄化法について説明できる。
6 水環境 水の塩素処理の原理と問題点について説明できる。
7 水環境 水道水の水質基準の主な項目を列挙し、測定原理を説明できる。
8 水環境 下水処理および排水処理の主な方法について説明できる。
9 水環境 富栄養化の原因とそれによってもたらされる問題点を挙げ、対策を説明できる。
10 水環境 水質汚濁を防止するための法規制について説明できる。
水質汚濁の主な指標を水域ごとに列挙し、その意味を説明できる。
11 廃棄物 廃棄物の種類を列挙できる。
廃棄物処理の問題点を列挙し、その対策を説明できる。
マニフェスト制度について説明できる。
PRTR法について概説できる。
12 非電離放射線の生体への影響 非電離放射線の種類を列挙できる。
紫外線の種類を列挙し、その特徴と生体に及ぼす影響について説明できる。
赤外線の種類を列挙し、その特徴と生体に及ぼす影響について説明できる。
13 地球規模の環境問題 地球規模の環境問題の成因、人に与える影響について説明できる。
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