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人間と文化3  [Humanities 3 (Histrical Sociology)]

開講情報
1年次 後期 1単位 必修
担当教員
教授 加藤 義春    
備考
授業の目的と概要
テーマ:「国民国家」の遺産と「福祉国家」の将来像
●一般目標(GIO)
 世界は今、グローバリゼーションとIT革命が進行する過程で「1世紀に一度の金融危機」に直面して大不況に喘いでおり、一方で地球温暖化の危機を回避するためにも「環境産業革命」の遂行を迫られつつある。
 そうした世界史的現況にあって、日本もまた産業構造の大胆な変革が必須であろうが、その重要な柱としての社会保障(医療・年金・介護)制度改革の問題点を真に理解するためには、複雑な制度の個々の問題点を論じる前に、両次大戦後に一般化し、今世紀を迎えて岐路に立っている現代「福祉国家」が孕む問題を把握しておかなければならないだろう。
 そして、そのためには、現代「福祉国家」を「国民国家」の晩期形態と位置づけ、より広い歴史的視座に立って、近代「国民国家」の形成と構造・その変容と再編過程が持つ社会・経済・政治史的意味から、根底的に捉え返す必要があるだろう。
 本講は、「社会薬学(医療経済・制度論)」教育の基底=歴史的素養教育を目的とする。
●到達目標(SBOs)
 1)西欧における「国民国家」の形成と団体意識の育成の歴史的意義(ヨーロッパの「歴史的民主主義」の世界史的意義)について、説明できる。
 2)「国民国家」の孕む問題的性格(「外枠Sと内実Nの相互規定性」・その「擬制性」)と諸国民国家の確立と相克の態様について、説明できる。
 3)両大戦間期(ファシズムの時代)における「国民国家」の危機とその変容=「国民国家」の再編形態としての現代「福祉国家」の成立の過程を概括し、現在における問題点について略述できる。
授業の方法
講義を基調とし、適宜プリント(資料)を配付する。
●準備学習や授業に対する心構え
毎回、講義の復習をし理解したうえで、次の授業に臨んでもらいたい。
●オフィス・アワー
原則として、(火)・(水)・(金)の 12:10〜13:10、加藤研究室にて
成績評価法
定期試験の成績(80点)に平常点(出席状況など20点)を加えて、総合評価する。
参考書
書名 著者名 出版社名
指定文献リストを配付し、他にも参考文献を講義のつど指示する。諸君にとって興味深い文献を選択し(リスト以外でもよい)、一冊でも二冊でも読考することを期待する。
授業計画
項目 授業内容
1 序.問題の設定
(本講の構成について)
2 I.国民国家の形成と構造
1)国家理念の三つの類型
「くに」「世界帝国」「国民国家」
3 2)国民国家の歴史的意義 「世界帝国」の否定と克服/「国民国家」と団体意識の育成/ヨーロッパの「歴史的民主主義」
4 3)国民国家形成の社会経済史的基盤 「市場圏」の漸次的拡大と中世「自治都市」の叢生/ヨーロッパ社会形成の中核地帯
5 4)「国民国家」概念 外枠Sと内実N(その相互規定性と擬制性)/「国民」統合のイデオロギー装置
6 5)19世紀のヨーロッパ 国民国家の確立と相克の時代
7 6)両大戦間期の世界 国民国家の危機とファシズムの時代
1)イタリア・ファシズム/ドイツ・ナチズム/日本「超国家主義」
8 7)   〃 2)ファシズム把握の鍵とは何か?
9 (インテルメツォ)
近代日本国家の「独特な型」
「世界帝国」と「国民国家」の安易な二重写し
10 II.国民国家の変容と再編
1)「福祉国家」の成立
(ビスマルクの社会政策)/イギリスの社会保障制度/北欧の社会福祉制度
11 2)「福祉国家」の構造 有効需要創出政策/社会民主主義政策
12 3)日本の高度経済成長と社会保障制度 その連関と構造の特徴的性格
13 4)高度福祉国家の憂鬱−新しい「豊かさ」の構想に向けて 低成長と少子高齢社会の到来/地球環境問題/持続可能な福祉社会=環境親和型社会に向けて
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