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人間と文化2  [Humanities 2 (Clinical Anthropology)]

開講情報
1年次 後期 1単位 必修
担当教員
非常勤講師 桝矢 桂一    
備考
授業の目的と概要
 人間学とは、文字通り、「人間」を問う学問である。では、臨床人間学とはどのような学問であるのか。単に「人間」を問うのではなく、個々の顔を持った「人間」を問うのである。個々の人間は日常を生き、生活の現実の場に根差し生きている。身体的に病を患っているとしても、その人は依然として「生きており」、生活している。「臨床」という観点は、そのような人間の生活の現場に立ち合い、そこでの人間(存在)を問うのでなければならない。
 例えば、身体的な病とは何らかの症状を持つものであり、医学的・生物学的にその症状は人間に害をもたらす。これを人間から取り除く事が医療であるとしても、その医療が対象となる病を患う人の日常的個別的存在の多様性を顧みないならば、それは単に唯物論的な仕方で病にのみ向き合っているに過ぎず、「臨床的」であるとは言えない。「臨床的」であるとは、個別の人間存在に向き合うのでなければならない。人間とは、過去を生きた存在であり、未来に向かっている存在であり、今を生きる者である。単なる事物の存在とは異なる人間存在についての視点が、臨床という観点の核にあると考えられる。事物が有るという事態とは決定的に異なる、今を生きる人間の存在について考察し、「臨床」という観点に立脚した人間存在というものを明らかにしたい。
●一般目標(GIO)
 いかなる学問にかかわる人も、その人はその学問の立場に立つ以前に、その人自身である。個々の学問それ自体は、学者の主観的なあり方を越えて、客観的でなければならない。しかし、だからといって、学問の探究者自身が客観的な何かに変わるのではない。学問の探究に携わるその人はあくまでも「その人」である。このような「その人である」ことは、我々人間のあらゆる行為の元にある。この、人間の基本的なあり方とは、どのようなことか、理解することを目標とする。 
授業の方法
上記の目的のために、従来の哲学思想の中から、ハイデッガーらの思想に着目する。ハイデッガーに依拠し、人間存在を「死への存在」として捉えつつ、物の有り様とは異なる人間存在について論じる。又、中村雄二郎は「臨床の知」を支えるものの一つとして「身体性をそなえた行為」をあげる(中村雄二郎著、『臨床の知とは何か』、1992年、岩波書店)が、その「身体性」とはどのようなものであるのか吟味したい。 
●準備学習や授業に対する心構え
「臨床」という観点は、単なる客観性や法則性によっては捉えられず、むしろ、主観性・多義性・個別性などと共にある。平易な言葉で纏めようとすればするほど、語られる事態は、一般化され、簡素化され、主観性・多義性・個別性といったものを失っていくであろう。平易な言葉で安易に纏めてしまうことは、「臨床」という観点から遠い態度である。
例えば、「私である」ことを理解するとは、「私でない」ことがどのようなことか言えることである。しかし、我々は、「私でなく」ある事はできない。だから、「私でない」ことは、我々には、あまりにも遠く、難しく、複雑である。このような、「私でないこと」に、しかも我々は、「私であること」からしか、触れることが出来ない。ここに、この「私でないこと」は、「私であること」なのだろうかという、難題が出現する。「臨床」という観点とは、まさに、この難題そのものである。この観点は、我々には遠く、複雑な観点である。このような観点に迫るためには、平易な言葉で安易に纏めてしまう態度が求められるのではなく、答えが見つからなくとも考える態度、常に考え抜こうとする態度が求められる。答えが見つからない問いに、あきらめずに、いつまでも挑戦する態度が肝要である。
受講者には上記の態度で以って出席されたい。
●オフィス・アワー
成績評価法
学期末に試験を実施する。但し、成績評価の際にはレポートなども勘案し総合的に評価する。
授業計画
項目 授業内容
1 はじめに 「臨床的」であることとはどのようなことか、講義する。「臨床的」という概念を理解することを目標とする。
2 人間学とは何か 西洋思想史における人間学の位置付けについて講義する。「人間学」とはどのような学問であるのか理解することを目標とする。
3 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
4 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
5 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
6 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
7 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
8 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
9 人間の在り様 ハイデッガーの「現存在」・人間の死の問題などについて講義する。人間にとって死とはどのようなことか、考える手掛かりを得ることを目標とする。
10 身体性の問題 我々の行為は単なる行為ではない。それは常に「身体性」を伴っている。「身体性」とは何か、理解することを目標とする。
11 身体性の問題 我々の行為は単なる行為ではない。それは常に「身体性」を伴っている。「身体性」とは何か、理解することを目標とする。
12 身体性の問題 我々の行為は単なる行為ではない。それは常に「身体性」を伴っている。「身体性」とは何か、理解することを目標とする。
13 まとめ 「臨床的」態度について、より深い思索力を培うことを目指す。
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