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植物は人類のあらゆる面で深い関わりがある。食料とし、これを材料とした衣服を身にまとい、材木で出来た家に住み、また燃料としてきた。また、病になったときは身の回りの薬用植物を採ってきてその治療に応用してきた。これが薬の始まりである。病になった人々を病から救う薬の発見はきわめて重要な知識であり、民族間に伝承され、探索され、取捨選択により、現代まで残されてきた。薬用植物学は、最古の歴史を持った自然科学であり、人類の生命と植物の生活の関わりあいの接点を求めてきた学問である。さらに、現在の医薬品の開発、創薬、応用に深い関わりを持つ薬の原点とも言える学問である。
●一般目標(GIO)
薬として用いられる植物由来の生薬の基本的性質を理解するために、それらの基原(薬用植物)、性状、含有成分、品質評価、歴史的背景などについての基礎知識、およびそれらを活用するための基礎的知識を習得することを目的とする。
●到達目標(SBOs)
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、薬効などを列挙できる
代表的な生薬の産地と基原植物の関係について具体例をあげて説明できる
代表的な薬用植物に含有される薬効成分を説明できる |
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教科書を指定し、主として講義形式で授業を行う。さらに薬用植物園を利用し、代表的な薬用植物の形態の観察を行う。
●準備学習や授業に対する心構え
予習、復習を徹底するよう心がけること。特に復習は大切である。
復習には最低1〜2時間はかける。内容をよく理解していない箇所があれば、オフィス・アワーを利用する。
●オフィス・アワー
(月)・(金)の午後4:30〜5:30、講義、会議等での不在の場合は随時、平日の午後5時以降、場所はB棟5階の生薬科学研究室 |
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定期試験のほか、適宜小試験を行い、学力の向上をはかる。これに加えて授業中の態度、出席率も加味して総合的に判断する。試験直前の勉強だけでは十分に対処できないので、不断の努力が必要である。常に目的意識を持って受講することを望む。 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『薬学生のための薬用植物学生薬学テキスト』 |
本多義昭 他 |
廣川書店 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『生薬単』 |
原島広至 |
NTS |
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回 |
項目 |
授業内容 |
1 |
総論1 |
薬用植物の歴史、人との関わりを説明できる |
2 |
形態1 |
薬用植物の、組織の説明ができる(表皮組織系、基本組織系、維管束系) |
3 |
形態2 |
薬用植物の器官の説明ができる |
4 |
系統と分類 |
代表的な薬用植物の分類と階級、分類体系が説明できる |
5 |
学名 |
代表的な薬用植物の学名および生薬名が説明できる |
6 |
分布と生態 |
代表的な薬用植物の産地と基原植物の関係が説明できる |
7 |
生産と流通 |
生薬資源の保全、採集と栽培、流通が説明できる |
8 |
薬用植物各論1 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
9 |
薬用植物各論2 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
10 |
薬用植物各論3 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
11 |
薬用植物各論4 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
12 |
薬用植物各論5 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
13 |
薬用植物各論6 |
代表的な薬用植物の学名、薬用部位、形態、成分、薬効が説明できる |
14 |
薬用植物の応用 |
サプリメント、香粧品、甘味料、色素、香辛料などの原料としての有用性についての説明ができる |
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