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免疫反応は自己成分と非自己成分とを認識して働く生体防御機構である。免疫反応にかかわる組織・細胞・分子、自己と非自己の認識機構、免疫応答の機構を学ぶことは、免疫反応を理解するだけでなく感染症、アレルギー、自己免疫疾患、腫瘍、臓器移植、妊娠・出産など生体に起こりうる生理的あるいは病的状態を理解する上で重要であり、さらにこれら制御する薬剤の開発において重要な基礎知識の一つである。
●一般目標(GIO)
ヒト免疫反応を組織、細胞、分子レベルで理解し、これに基づく生体の異常を理解するために、免疫系および代表的な免疫関連疾患とその治療について基礎的知識を修得する。 |
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スライドを用い講義を行い、授業の最後に講義内容が修得できたかを小テストで確認する。
●準備学習や授業に対する心構え
試験直前の勉強のみでは対処できないので、普段より目的意識を持って授業に積極的に参加することが望ましい。理解が足らない点は随時質問することが望ましい。
●オフィス・アワー
授業終了後に講師室;メールによる質問 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『薬系 免疫学』 |
植田 正、前仲勝実 (編集) |
南江堂 |
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書名 |
著者名 |
出版社名 |
『基礎免疫学』 |
松島綱治、山田幸宏 (訳) |
エルゼビア・ジャパン |
『免疫学最新イラストレイテッド』 |
小安重夫 (編集) |
羊土社 |
『免疫学イラストマップ』 |
烏山 一 (編集) |
羊土社 |
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回 |
項目 |
授業内容 |
1 |
免疫学概論 |
免疫に関与する組織・細胞を列挙し、その役割を説明できる。 |
2 |
抗原と抗体 |
抗原および抗体分子の種類・構造・役割を説明できる。 |
3 |
補体 |
補体の活性化経路と機能について説明できる。 |
4 |
自然免疫 |
自然免疫の特徴を理解し、食細胞が自然免疫で果たす役割を説明できる。 |
5 |
抗原提示 |
主要組織適合抗原複合体の構造と機能および抗原提示経路での役割について説明できる。 |
6 |
細胞性免疫 |
T細胞による抗原の認識および細胞性免疫について説明し、T細胞受容体の多様性を生み出す機構(遺伝子再構成)を概説できる。 |
7 |
液性免疫 |
液性免疫と免疫反応における細胞間ネットワークについて説明し、抗体分子の遺伝子再構成を概説できる。 |
8 |
サイトカイン |
免疫にかかわる主なサイトカインとケモカインを挙げ、その作用を説明できる。 |
9 |
リンパ球の分化と成熟 |
免疫反応の特徴とクローン選択説を説明できる。 |
10 |
過敏症 |
アレルギーについて分類し、関与する細胞および反応機構を説明できる。 |
11 |
腫瘍と移植 |
腫瘍排除・臓器移植に関与する免疫反応について説明できる。 |
12 |
自己免疫疾患 |
代表的な自己免疫疾患を挙げ、その特徴・治療について説明できる。 |
13 |
免疫不全症 |
代表的な免疫不全症候群を挙げ、その特徴と成因について説明できる。 |
14 |
免疫と医薬品 |
免疫応答を調節する主な薬剤を挙げ、その特徴について説明できる。 |
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