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教育研究施設

薬用植物園

Vol.20

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

カラエンゴサク  
トウキ(セリ科) Angelica acutiloba

本州の中部以北に自生する一捻草(花を付けると株が枯れる多年生草本)で、草丈は20〜80 cm。薬用部位は根で当帰(トウキ)と呼ばれ婦人科疾患などに用いられる漢方薬に配合される。和歌山県(大深当帰)や北海道(北海当帰)で栽培されている。茎葉も浴剤として使用される。全草に独特の芳香を有している。中国で用いられる当帰はAngelica sinensisの根で、日本産とは異なる植物が用いられている。


センキュウ(セリ科)Cnidium officinale
 
フキ
江戸時代に中国から伝わり、日本各地で栽培されている多年生草本。草丈は、30〜60 cm。開花はするが、結実しないため、根茎の一部を植えて増殖させる。セリ科植物は果実の形態で分類されることが多く、果実のできない本種の分類ははっきりしない。薬用部位は根茎で、川芎(センキュウ)と呼び、当帰と同様に婦人科疾患などに用いられる漢方薬に配合される。中国で用いられる川芎はLigusticum chuanxiongの根茎で、日本で使用されているものとは別の植物である。


フキタンポポ  
クズ(マメ科) Pueraria lobata
日本各地の平野〜山地に自生するつる性多年生草本。根には良質のデンプンを多量に含み葛餅などこのデンプンを使った食品も数多くある。吉野葛は特に有名。また、秋の七草の一つ。薬用部位は根で葛根(カッコン)と呼び、カゼの初期に用いられる漢方薬の葛根湯に配合されている。また、花は葛花(カッカ)と呼び、酒毒を消すと言われて二日酔いなどに用いられる。含有成分はイソフラボンのプエラリンなど。


シソ(シソ科)
Perilla frutescens var.acuta
 
ミツマタ
中国南西部原産の一年生草本。草丈は、30〜50 cm。秋に長さ10 cmほどの花穂に赤紫色の小さな花をつける。ペリルアルデヒドという精油を含み、全草に独特の香りを有する。この精油は花の萼に多く含まれ、刺し身のつまに利用されている。薬用部位は葉および枝先で、蘇葉(ソヨウ)と呼び、香蘇散や半夏厚朴湯などの漢方薬に配合される。アオジソは薬用には用いられない。


クロモジ  
ムラサキバレンギク(キク科)Echinacea sp.
ムラサキバレンギク Echinacea purpureaは、北アメリカ原産の多年生草本で、草丈は約1 mぐらいになる。花床が円錐形となり、英名はpurple cone flower。本園の花は白色であるが、本来は紫色。薬用部位は根茎で、免疫増強作用などが知られている。医薬品ではなくサプリメントとして「エキナケア」の名称で広く使用されており、アメリカでは非常に人気がある。最近、医薬品との相互作用の報告もされており、服用するときは薬剤師などに相談すると良い。


シナマオウ(マオウ科)
Ephedra sinica
 
コショウ
中国北部原産の常緑小低木で、高さは、30〜70 cm。半砂漠地帯に自生し、乾燥に耐えるため葉は退化しており、細長い茎だけに見える。雌雄異株で夏には赤い果実(マオウ科は裸子植物で、正しくは種子と赤い肉質の苞葉)が写真のようにたくさん実り、味は甘い。薬用部位は地上茎で麻黄(マオウ)と呼び、葛根湯や小青竜湯などの漢方薬配合される重要生薬である。本植物の乱獲により砂漠化が問題となり、中国は輸出を規制している。含有成分はエフェドリン。

2012年8月27日掲載




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