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教育研究施設

薬用植物園

Vol.19

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

カラエンゴサク  
ウラルカンゾウ(マメ科)
Glycyrrhiza uralensis

中国東北部からモンゴルなどに自生する多年生草本。草丈は50〜90cm。根は地下水を求め、地中深くまで伸ばす。また、地中浅く水平にストロン(走出茎)を四方に伸ばしひろがる。薬用部位は根およびストロンで、甘草(カンゾウ)と呼び、数多くある漢方薬の7割以上の処方に配合される重要生薬である。近年、自生地の乱獲のため、中国政府が輸出制限しており、レアープラントとも呼ばれている。主成分はグリチルリチンで、ショ糖の約150倍の甘味を有する。


スペインカンゾウ(マメ科) Glycyrrhiza glabra
 
フキ

中国〜中東、ロシア、地中海沿岸までユーラシア大陸に広く分布する多年生草本。草丈は、80〜140cm。ウラルカンゾウより、ストロンをよく伸ばす。薬用部位は、根およびストロンで、甘草と呼ぶ。ウラルカンゾウは主に漢方薬に使用されるが、スペインカンゾウは、カゼ薬や胃腸薬などの医薬品に配合される他、医薬部外品、食品添加物、グリチルリチン抽出原料などに使われる。


フキタンポポ  
スペインカンゾウ
(ロシア系統)(マメ科)
Glycyrrhiza glabra

スペインカンゾウは、その分布の広さから、多くの変種がみられ、学名の混乱も見られる。本系統は、池田糖化(株)がロシアより輸入した甘草に混入していた莢果の種子を植栽したものである。葉の形態や穂状花序の長さや蝶花の色が上記のスペインカンゾウと異なる。ロシアカンゾウとも呼ばれる。


アメリカカンゾウ(マメ科)
Glycyrrhiza lepidota
 
ミツマタ

北アメリカ西部に分布する多年生草本。草丈は、40〜60cm。蝶花が淡黄色〜白色。根およびストロンを伸ばす。このアメリカカンゾウは、日本で医薬品に使用することはない。グリチルリチンを含有するという報告もあるが、その含有量はごく微量である。ノースカロライナ大学での留学時に、植物学の図書館を訪れ、文献調査するとアメリカ東海岸にも分布がみられるとの記載を見つけた。それから約1年間、常に意識していたが東海岸で本植物を見つけることはできなかった。


クロモジ  
カガミグサ(ブドウ科) Ampelopsis japonica

中国原産のつる性植物。江戸時代に中国から渡来した。ノブドウの仲間。6月には多数の淡黄色の小さな花を付け、果実は球形で、青や赤紫、白色と色の変化に富む。地下の肥大した根を白蘞(ビャクレン)と呼び、中国では清熱解毒薬として用いられる。学名のjaponicaは日本原産を意味するが、命名者のツンベルク(1775年に来日し、最初の日本植物誌の著した)が本植物を日本原産と考えてしまったため。


オカゼリ(セリ科) Cnidium monnieri
 
コショウ

中国の中部や北部原産の多年草。成熟果実を蛇床子(ジャショウシ)と呼び、疥癬などの皮膚病薬とする。皮膚の掻痒などに外用される漢方薬の蛇床子湯(蛇床子、当帰、威霊仙、苦参)などに配合される。成分は、オストールやインペラトリンなどを多量に含む。一方、道端で良く見かけるヤブジラミ Torilis japonica の果実は和蛇床子と呼ばれ、蛇床子の代用として用いられた。

パイナップル  
センダン(センダン科) 有毒
Melia azedarach var.subtripinnata

伊豆半島以西に分布しており、西日本では、庭木や街路樹としてよく見かける落葉高木。自生のものは直径1m、樹高30mを超えるものもある。5〜6月にかけて葉腋から円錐花序を出し、直径約2cmの淡紫色の花を多数付ける。また、秋には長さ1.5cmの楕円形の石果が黄色く熟す。薬用部位は、樹皮あるいは根皮で苦楝皮(クレンピ)と呼び、回虫駆除に用いられる。川楝子(センレンシ)はトウセンダンの成熟果実を用いる。トウセンダンvar. toosendanは中国原産で、小葉、果実ともにセンダンに比べて大きい。

2012年6月5日掲載




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