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教育研究施設

薬用植物園

Vol.17

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

ゲンノショウコ  
ゲンノショウコ(フウロソウ科) Geranium thunbergii

日本全土に分布する多年生草本。ミコシグサ、ネコアシグサ、イシャナカセなど多くの別名がある。和名の語源が「現の証拠」であることはよく知られており、下痢止めとして、その効果のシャープさを示している。薬用部位は、開花期の地上部で、下痢止めの代表的な民間薬。他の止瀉薬と比べ、便秘になりにくい。成分はタンニン類およびフラボノイド。赤花の株と白花の株があるが薬効に違いはない。下痢にはよく煎じ、便秘にはあまり長く煎じずに用いるとよい。


キクイモ(キク科)
Helianthus tuberosus
 
キクイモ

北アメリカ原産の多年生草本。草丈は2m程になり、よく分枝する。薬用には使用しないが、幕末にイギリス経由で導入され、塊茎を食料として栽培された。塊茎はイヌリンという果糖の多糖体を多く含んでおり、デンプンを主とするイモ類とは食感がことなる。長時間煮ても、シャキシャキ感がある。イヌリンは消化されないため、その他の糖類の吸収を穏やかにし、糖尿病患者の食材として応用されている。


 
サンシチソウ(キク科)
Gynura japonica

原産地が不明。草丈が1m程の多年生草本。独特の香りがある。生の葉をキズなどの止血薬として利用される。この植物の仲間に、伝統野菜として有名な熊本の「水前寺菜(スイゼンジナ)」や石川の「金時草(キンジソウ)」がある。どちらの植物も同一で、学名はGynura bicolor.葉の裏が紫色をしており、独特の風味があり、茹でるとぬめりがある。富山行きの雷鳥の車窓からは金時草の畑を見ることができる。


ツルドクダミ(タデ科) Pleuropterus multiflorus
 
ツルドクダミ

中国原産のつる性多年生草本。江戸時代に強精薬として伝来したが、現在では各地に野生化している。薬用部位は塊根で何首烏(カシュウ)と呼び、滋養強壮や便秘薬として用いられる。昔、何(カ)という名前の人が、これを服用して、首から上すなわち頭髪がカラスのように黒くなったという。漢方薬では、冷えがあり皮膚の乾燥や老人のかゆみなどに使用される当帰飲子に配合される。含有成分はアントラキノン類。


ラッキョウ  
ラッキョウ(ユリ科)
Allium chinense

中国原産の多年生草本。秋には高さ40〜60cmの花茎を出し、紅紫色の小さな美しい花を半球状の散形花序としてつける。日本に渡来した時期は不明。日本では漬物として食される。中国でも古くから食用とした。薬用としては、鱗茎を薤白(ガイハク)と呼び、下痢や胸の苦しみ、呼吸困難などに用いられる。 薬用植物園では、花が少なくなった秋に美しい花を付け、写真の良い被写体となる。


トウガラシ(ナス科)
Capsicum annuum
 
トウガラシ

中央・南アメリカ原産の多年生草本。コロンブスにより、ヨーロッパに伝えられ、東南アジア、東アジアへと広がった。唐芥子は中国から来た辛いものを意味する。七味唐辛子など、香辛料として有名である。薬用部位は果実で、番椒(バンショウ)と呼び、皮膚の刺激薬などとして利用される他、辛味性健胃薬ともする。成分はカプサイシン。

カラタチ  
カラタチ(ミカン科)
Cleodendrum trichotomum

中国原産の甘橘類。甘橘類の中で、最も耐寒性が強く、東北地方まで分布している。果実には、油分が多く、酸味や苦味が強いため食用にはならない。私も食したことがあるが、油分が口の周りに付き、種も多かったことを記憶している。薬用では、未熟な果実を枳実(キジツ)と呼び、多くの漢方薬に配合される。ただし、枳実の基原植物には、ダイダイの未熟果実も使用される。

2011年12月22日掲載




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