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教育研究施設

薬用植物園

Vol.16

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

イチビ  
イチビ(アオイ科) Abutilon theophrasti

熱帯アジア原産の一年生草本。草丈は1.5 mぐらいになる。茎の内皮からとれる繊維が世界の多くの地域でロープや漁網をつくるのに使われてきた(現在は利用されない)。薬用部位は種子で、中国(中医学)では冬葵子(トウキシ)と呼び、尿量が減少して身体がだるい時や大便が硬く便秘する時に用いられる。一方、日本で一般に用いられる漢方薬には使用されていない。フユアオイ(Malva verticillata)の種子も冬葵子として使用される。


ウコン(ショウガ科)
Curcuma longa
 
ウコン

熱帯アジア原産の一年生草本。葉は根茎から生じ、先の尖った楕円形をしており長い葉柄をもつ。葉の間から花茎が伸び穂状花序をつける。白い部分は苞葉で、黄色く見えるのが花。ターメリックは本植物の根茎でカレー粉や沢庵漬の着色料に広く利用される。薬用部位は根茎で鬱金(ウコン)と呼び、利胆や健胃薬とする。中国ではウコンの根茎は姜黄(キョウオウ)、塊根(紡錘根)を鬱金と呼ぶので注意する。成分はクルクミン。


キバナオウギ  
キバナオウギ(マメ科)
Astragalus membranaceus

中国東北部や朝鮮半島、北海道、本州中部の高山に分布する多年生草本で、草丈は30〜40 cm。植物図鑑などではタイツリオウギの和名で紹介させている。長い花柄に垂れ下がる豆果の様子が釣り上げられているタイに見立てたもの。薬用部位は根で、黄耆(オウギ)と呼び、元気を補う薬として、補中益気湯など多くの漢方薬に配合される。含有成分はアストラガロシドなどのサポニンとフォルモノネチンなどのイソフラボン。


クコ(ナス科) Lycium chinense
 
クコ

アジアからヨーロッパ東南部原産で、日本の各地でも自生、栽培されている多年生落葉低木。木の高さは1〜2 mぐらい。救荒植物(飢饉の時の非常食)として広められた。薬用部位は、果実、葉、根皮で、それぞれ枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、地骨皮(ジコッピ)と呼び、強壮や解熱作用などを目的に漢方薬に配合される。民間的にも、果実の薬酒や葉を利用したお茶などがよく知られている。


ハブソウ  
ハブソウ(マメ科)
Cassia torosa

中国、東南アジア原産の一年生草本。和名は、毒蛇に咬まれた時に解毒に用いたことに由来する。実際にはそのような効果は無いと考えられる。薬用部位は種子で、望江南(ボウコウナン)と呼び、緩下薬や健胃薬とする。炒った種子はハブ茶と言うが、現在、日本でハブ茶と呼ばれているものはエビスグサの種子(決明子)を使用している(Vol. 6参照)。また、生葉は虫刺されなどにも利用される。含有成分は、アントラキノン類。


フジマメ(マメ科)
Lablab purpureus (Dolichos lablab)
 
フジマメ

熱帯アフリカ原産のつる性の多年生草本。日本では一年草である。かつてコウシュンフジマメ(Dolichos)属に入れられていたが、フジマメ属に分けられた。広く栽培され、若い豆果には独特の香りがあり野菜にする。薬用部位は種子で扁豆(ヘンズ)または白扁豆(ビャクヘンズ)と呼び、嘔吐や腹痛、食欲不振などに用いられる。また、酒毒やフグ毒など、あらゆる毒に対して解毒作用があるとされる。花は紫色か白色であるが、生薬の基原としては白花を用いる。

クサギ  
クサギ(クマツヅラ科)
Cleodendrum trichotomum

日本全土の日当たりの良い山野や沢筋に生育する落葉低木で、高さが5 mになるものもある。葉を揉むと独特の臭気があるが、花は良い香りがする。ヘクソカズラやドクダミなどと並んで、いやな香りをもつ植物のひとつである。主に若葉を煮たり、油で炒めて食用にする。薬用部位は、葉および幼枝で、臭梧桐(シュウゴトウ)と呼び、関節痛や運動障害などに用いられる。また、煎液を外用し、皮膚もかゆみ止めにする。

2011年10月17日掲載




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