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教育研究施設

薬用植物園

Vol.15

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

ガマ  
ガマ(ガマ科)
Typha latifolia

北半球の温帯に広く分布する多年生草本で、日本では各地の浅い水中に生える。花期の草丈は150〜200cmぐらいになる。写真のソーセージ状のものが雌花穂で、その上部に雄花穂がある。薬用部位は花粉で、蒲黄(ホオウ)と呼び外用して止血薬とする。「古事記」の中の「因幡の白兎」では、大国主命が白兎にガマの花粉を傷口につけ、穂綿にくるまるように言う。ガマの仲間には、ガマ、コガマ、ヒメガマがあり、ヒメガマは雌花穂と雄花穂が離れているのが特徴。


ミクリ(ミクリ科)
Sparganium stoloniferum
 
ミクリ
北半球とオーストラリアに分布する多年生草本で、日本では各地の河川や湖沼の浅い水中に生える。草丈は200cmぐらいになる。茎の上部に雄性頭花、下部に雌性頭花をつけ、頭花をつけた茎が枝分かれするのが特徴。写真は、雄性頭花。果実が栗のいがに似ていることから実栗と呼ばれる。薬用部位は根茎で、三稜(サンリョウ)と呼び中国では通経薬などとして使用される。


ヨロイグサ  
ヨロイグサ(セリ科)
Angelica dahurica
本州、九州に分布している大型の多年生草本で、草丈は1〜3 mになる。7〜8月に大型の複散形花序に白い小さな花を多数つける。属名のAngelica(アンゲリカ)は、この大きな花序がangelus(エンジェル、天使)にたとえられたことに由来する。薬用部位は根で、白芷(ビャクシ)と呼ばれ感冒薬や鎮痛薬とされ、疎経活血湯や川芎茶調散などの漢方薬に配合される。成分はビャクアンゲルコールなどのフロクマリン類。


キクニガナ(キク科) Cichorium intybus
 
キクニガナ
ヨーロッパ原産の二年生草本で草丈は120cmぐらいになる。青い花はサラダなどのつけあわせなどにされる他、小さな白菜のように栽培されたものはチコリーと呼び、野菜として食される。苦味とほのかな香りを楽しむことができる。また、根を焙煎しコーヒーの代用とされる。肝臓疾患や糖尿病などに応用され、抗炎症作用も報告されている。鉄分や亜鉛などのミネラル分も豊富に含み、コカコーラから販売されている爽健美茶にも配合されている。


ベラドンナ  
ベラドンナ(ナス科)有毒 Atropa belladonna  
ヨーロッパ〜西アジア原産の多年生草本。英名のベラドンナが和名になっている。Belladonnaは美しい女性を意味しており、ルネサンス時代にこの植物の汁を点眼して目を美しく見せる化粧がはやったためと言われている(瞳孔が開き、神秘的な目になるが、失明することもある)。薬用部位は根で、ベラドンナコンと呼び、鎮痛、鎮痙薬とされる。成分はアトロピンやスコポラミンなどの有毒アルカロイド。目薬としての使用も含め、民間での使用は絶対にしてはいけない。


ハマゴウ(クマツヅラ科)
Vitex rotundifolia
 
ハマゴウ
本州から南西諸島の海岸や東南アジア、オーストラリアの海岸に分布する落葉低木で、紫色の小さな花を咲かせる。乾燥に耐えるため、枝や葉には細かな毛が生えている。地上に見えるのは枝先で、砂の中を枝が伸びている。薬用部位は強い臭気のある果実で蔓荊子(マンケイシ)と呼び、頭痛や感冒に用いる。また、清上蠲痛湯などの漢方薬に配合される。含有成分はピネンなどの精油の他、ビテキシカルピンなどのフラボノイド。


ヨモギギク  
ヨモギギク(キク科)
Tanacetum vulgare
ヨーロッパ、アジア、北アメリカに分布する多年生草本。日本では、北海道の日本海側の草原に生える(エゾノヨモギギク)。全草に芳香があり、古くから虫除けなどに利用されてきた。また、英名はタンジー(tansy)で、パイやマリネードの香りつけなどに使われる。花や葉から抽出されたエキスや精油は、リウマチや潰瘍、解熱に用いられる。また、抗菌活性や抗酸化活性も示す。一方、Senecio属(キオン属)のtansy ragwort ( Senecio jacobaea)にはピロリチジンアルカロイド(有毒成分)の含有が報告されており、注意が必要である。


2011年9月12日掲載




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