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教育研究施設

薬用植物園

Vol.13

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

アミガサユリ  
アミガサユリ(バイモ)(ユリ科)
Fritillaria verticillata var. thunbergii
中国原産の多年生草本で、地下部に鱗茎をもつ。茎は直立し、50cmぐらいになる。春に咲く花は、内側に紫色の網目模様が付いている。薬用として伝来し、現在では茶花などの園芸用としても各地で栽培される。薬用部位は鱗茎で、貝母(バイモ)と呼ばれ、熱性の咳嗽に使用される清肺湯などの漢方薬に配合される。成分はフリチラリンやペイミンなどのステロイドアルカロイドで、呼吸麻痺や嘔吐促進などの作用があるため、個人での使用は避けたい。


イカリソウ(メギ科)
Epimedium grandiflorum
 
イカリソウ
近畿地方以北に自生する多年生草本。草丈は30〜50cmで、花は4つの長い距を持った独特な形をしており、色はふつう紅紫色(白色の変種もある)。薬用部位は地上部で、淫羊藿(インヨウカク)と呼び、強壮・強精の作用を期待する。「年老いた山羊がこの草を食べて雌山羊と遊ぶのを見た老人が同じようにイカリソウを食べ・・・。」と言う話が残っている。滋養強壮のドリンク剤や養命酒に配合される。成分はイカリインなどのフラボノール配糖体。


ウツボグサ  
ウツボグサ(シソ科)
Prunella vulgaris var.lilacina
日本全土の日当たりの良い草地に自生する多年生草本。草丈は20〜30cmで5〜6月にかけて紫色の唇形花を付ける(白花もある)。薬用部位は花穂で、夏枯草(カゴソウ)と呼び、主に民間薬として利尿や消炎の目的で利用される。夏には花穂が茶色変わり始め、この時期に摘み取り天日干しにする。夏枯草は夏に枯れたように見える草という意味。成分はタンニン類。その他、多量の塩化カリウムを含む。


カキ(カキノキ科)
Diospyros kaki
 
カキ

中国原産の落葉高木で、本州や四国、九州に果樹として植栽されている。東北大学から大阪薬大に赴任した前園長が、沢山の実を付けたカキの木を見て興奮されていたことを思い出す(関西では普通の光景だが)。薬用部位は蔕(へた)で、柿蒂(シテイ)と呼び、しゃっくり止めの特効薬である。実を食べる時に集め、天日干しにする。約3個の柿蒂を水150mlで煎じて温服する。高血圧には乾燥若葉をお茶代わりに飲むと良い。その他、多くの民間療法が伝えられている。


シラン  
シラン(ラン科)
Blettia striata
関東地方以西の湿地や岩場などに自生している多年生草本。ランの仲間では最も栽培しやすい。日当たりも気にせず、観賞用として庭先に植栽できるので人気が高い。薬用部位は塊茎で、白芨(ビャッキュウ)と呼び、止血薬として使用される。日本の漢方薬では使用されないが、中医薬には枇杷葉などと配合される白キュウ枇杷丸などがある。また、あかぎれなどの傷に、単味の粉末を外用する。多くの粘液質を含む。研究室の学生が、このシランに興味を持ち、研究を始めようとしている。成果が出れば紹介したい。


ムラサキ(ムラサキ科) 
Lithosperumum erythrorhizon
 
ムラサキ

北海道〜九州にかけての山地や草原に自生する多年生草本。現在はその数も激減しており、自然にその姿を見ることは少ない。昔から染料として大切にされ、この植物の根で染めた紫色は冠位十二階でも最も高貴な色。見学会では、ムラサキと言う名前なのに白い花?と質問されることも多い。薬用部位は紫色をした根で、紫根(シコン)と呼び、火傷に使用される紫雲膏(華岡青洲が創製した)などの漢方薬に配合される。成分は、シコニンやアセチルシコニン。私達の研究室では、紫雲膏の真の活性成分について研究を行っている。


アルニカ  
アルニカ(キク科)
Arnica montana

ヨーロッパ原産の高山地帯に自生する多年生草本。草丈は20〜50cm。薬用部位は根でアルニカ根と呼ぶ、また花はアルニカ花と呼ばれる。消炎や鎮痛の目的でハップ剤として患部に外用する。ホメオパシー(ドイツ人医師のサミュエル・ハーネマンによって体系づけられた治療法)のレメディ(薬)に使用されている。全草に精油を含む。


2011年6月21日掲載




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