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教育研究施設

薬用植物園

Vol.12

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

ウスバサイシン  
ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)
Asiasarum sieboldii
本州、九州の山間部の樹陰に自生する多年生草本。花期は3〜5月。無花弁で暗紫色のつぼ状花を付ける。薬用部位は根で細辛(サイシン)と呼び、小青竜湯や麻黄附子細辛湯などの漢方薬に配合される。成分はメチルオイゲノールなどの精油成分。地上部には腎毒性を有するアリストロキア酸が含まれるため、生薬の細辛には地上部が混入していないことを確認する。また、個体数が減少しているギフチョウの幼虫の食草でもある。


サンシュユ(ミズキ科)
Cornus officinalis
 
サンシュユ
中国、朝鮮半島を原産とする落葉小高木で、樹高は約4mになる。庭木としても多く植栽されており、3〜4月に小さな黄色の花が枝の先に20〜30個ほど集まって付く。また、秋には美しく赤色に熟した果実を多数付ける。この果実は鳥が食べないため(他に食べる実が無くなれば食べる)冬まで楽しめる。薬用部位は果実で、山茱萸(サンシュユ)と呼び、八味地黄丸などの漢方薬に配合される。リンゴ酸や没食子酸などの有機酸を多く含む。


カラシナ  
カラシナ(アブラナ科) Brassica juncea
アブラナとクロガラシが自然交配したもので、中近東や中央アジアが起源地とされる。秋に種を播き、翌年の春に開花する越年生草本。草丈は1.5mほどになる。生育力も旺盛で、河川敷などで見かける黄色い花は、カラシナであることが多い。薬用部位は種子で芥子(ガイシ)と呼び、咳止めや痛み止めとする。また香辛料(からし)として世界で使用される。成分はシニグリンなど。 ヨーロッパではシロガラシSinapis albaからマスタードをとる。


ダイコン(アブラナ科)
Raphanus sativus var.hortensis
 
ダイコン
弥生時代に中国から伝来し、春の七草の一つで「すずしろ(蘿蔔、清白)」と呼ばれる。各地で多くの品種がつくり出された。近年、甘みを有するものが好まれ、本来の辛みがある大根が少なくなった。子供時代に、涙を出しながら食べたジャコ入り大根おろしが懐かしい。薬用部位は種子で、ライフクシと呼び、健胃、鎮咳、去痰薬とする。写真は、世界一重いとされる桜島ダイコンの花。


レンギョウ  
レンギョウ(モクセイ科)
Forsythia suspensa
中国原産の落葉低木。庭木として、全国各地に植栽されている。3月に黄色の花をたくさん付ける。薬用部位は果実で、連翹(レンギョウ)と呼び慢性副鼻腔炎などに使用される荊芥連翹湯などの漢方薬に配合される。しかし、多くの人はレンギョウに果実が付くことを知らない。本植物は長花柱花株と短花柱花株があり、果実採取のためには両方を混植する必要がある。花の観賞用では果実が見苦しいために、どちらか一方のみが植栽されている。


キンセンカ(キク科)
Calendula officinalis
 
キンセンカ
地中海沿岸原産の一年生または越年生草本で世界中の温暖な気候帯で栽培されている。草丈は15〜50cmでよく分枝する。薬用部位は頭花で、金錢花(キンセンカ)と呼び、利尿薬や通経薬とされる。また、西洋では、マリーゴールドと呼ばれ、抗炎症や解毒作用、収斂作用など万能な薬草として有名である。明るいオレンジ色をしたものが良品とされる。成分は、ウルソール酸などのトリテルペンを多量に含む。


アロエ・ベラ  
アロエ・ベラ(ユリ科)
Aloe vera
アフリカ原産の多年生多肉植物。60cmほどに生長し、黄色の花を付ける。薬用部位は葉にある透明なゼリー状の部分で傷や火傷に使用する。食用ではヨーグルトの中に混ぜられたりする。また、葉の茎部からでる黄色い汁は、緩下作用をしめす。医薬品としてのアロエはケープアロエAloe feroxの葉から出た汁を乾燥させたもので緩下薬とする。また、日本でアロエと言うと冬に赤橙色の花を付けるキダチアロエAloe arborescensを多くの人は思い浮かべるであろう。


2011年5月10日掲載




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