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教育研究施設

薬用植物園

Vol.11

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

コセリバオウレン  
コセリバオウレン(キンポウゲ科)
Coptis japonica var.major
日本原産の多年生草本。オウレン Coptis japonicaの変種で、この他に、セリバオウレン、キクバオウレンが知られ、これらが主に国内栽培されるが、現在、生産量は激減している。薬用部位は根茎で、黄連(オウレン)と呼び、漢方では清熱薬として黄連解毒湯や三黄瀉心湯などに配合される。また、古くから民間的に下痢止めや整腸薬として用いる。成分はアルカロイドのベルベリンで、味は非常に苦い。中国産の黄連は、主にC. chinensisを基原とする。


サンシキスミレ(スミレ科)
Viola tricolor
 
サンシキスミレ
ヨーロッパ〜アジア西部原産の一年生から多年生草本で、草丈は15〜25 cm。花は三色から成り、それぞれの色は変異が多い。薬用部位は地上部で、気管支炎やリウマチの治療を目的にヨーロッパなどで民間的に利用される。成分はフラボノイドのビオランチンやルチンの他、サポニンなども含有する。


シナマンサク  
シナマンサク(マンサク科)
Hamamelis mollis
中国原産の落葉小高木。日本には、マンサク Hamamelis japonica が分布している。シナマンサクはマンサクに比べて、葉が大きい。両植物ともに、タンニン成分を多く含み、煎液を収れんや止血などの目的に使用された。北アメリカにもアメリカマンサク(ハマメリス) H. virginianaが分布しており、ネイティブアメリカンも薬用茶として使用した。また、ハマメリス水として化粧水にする。


ニオイスミレ(スミレ科) Viola odorata
 
ニオイスミレ
ヨーロッパ南部原産の一年生から多年生草本。花に芳香がある。薬用部位は、花または葉で、鎮咳薬として、ヨーロッパで古くから使用された。また、抗癌植物として評判をもつが、その科学的根拠は無い。花は入浴料としても利用される。成分はフラボノイドのビオランチンやルチンの他、ミロシンなどのサポニンも含有する。


ソシンロウバイ  
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
Chimonanthus praecox var.graudiflorus f. concolor
ロウバイ Chimonanthus praecoxの園芸品種。ロウバイは中国原産の落葉低木。中国では花を蝋梅花(ロウバイカ)と呼び、頭痛や口渇に用いる。ロウバイの花は内側の花被片が紅紫色であるのに対して、ソシンロウバイは内側の内花被片も黄色。乾燥させた花は風邪などに用いられる。北アメリカ東部にはクロバナロウバイが分布しており、米国留学時代に近隣の森で良く目にしたのを思い出す。


ダイダイ(ミカン科)
Citrus aurantium var.daidai
 
ダイダイ
アジア南東部原産の常緑小高木で、高さは4〜5 m。国内では、関東以西の暖地で栽培される。果実は木から落ちないで、翌年の夏には再び緑になり、次の新しい果実が実るまで残ることから「代々」が和名の語源。お正月の鏡餅の上には「代々」繁盛することを願い、黄金色に熟した橙(ダイダイ)をのせる。ミカンをのせる家もあるが是非とも橙を用いてほしい。薬用部位は成熟した果皮で、橙皮(トウヒ)と呼び、芳香性苦味健胃薬とする。成分は、リモネンなどの精油およびフラボノイドのヘスペリジンやナリンギン。


ウメ  
ウメ(バラ科) Prunus mume
中国原産の落葉小高木。多くの園芸種が各地に植栽されている。薬用としては、未熟な果実のくん製を烏梅(ウバイ)と呼び、解熱、鎮咳、去痰、止瀉薬とする。私達には、食用として生の未熟果を紫蘇と一緒に漬けた梅干が、まず頭に浮かぶであろう。昔から体調不良時に食されるなど薬用としての効果も期待してきた。梅酒も非常に美味しく、日本の食生活に深くとけこんでいる。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などを多く含む。


2011年4月15日掲載




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