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教育研究施設

薬用植物園

Vol.10

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

ビワ  
ビワ(バラ科) Eriobotrya japonica
中国原産の常緑高木。冬に芳香性のある白い花を咲かせる。薬用部位は葉で、枇杷葉(ビワヨウ)と呼び、慢性鼻炎や蓄膿症などに応用される辛夷清肺湯と言う漢方薬に配合される。また、民間薬として、江戸時代から盛んに用いられてきた。その代表的なものとして、暑気あたりに使用された枇杷葉湯や湿疹、汗疹を治療するための入浴料としての使用が挙げられる。成分は青酸配糖体のアミグダリンやトリテルペン、タンニンなど。


サネカズラ(別名 ビナンカズラ)(マツブサ科)
Kadsura japonica
 
サネカズラ
日本、朝鮮半島、中国原産の常緑つる性木本。赤い球形の果実が美しい(写真)ことから生け垣などにも利用される。茎に含まれる粘液を整髪料として用いたことから美男葛(ビナンカズラ)の別名がある。薬用部位は果実で南五味子(ナンゴミシ)と言うが、チョウセンゴミシSchisandra chinensisを基原とする五味子の代用にはならない。民間薬として、滋養強壮や鎮咳などに用いられる。


ネズミモチ  
ネズミモチ(モクセイ科)
Ligustrum japonicus
日本原産の常緑小高木で、本州中部以西の海岸近くの山地に自生。果実(写真)がネズミの糞に似ており、木の姿はモチノキにそっくりなのでこの名が付いた。薬用部位は果実で、女貞子(ジョテイシ)と呼び、滋養強壮などを目的に使用されるが、日本で使用されている漢方薬には配合されていない。また、女貞子は、本来トウネズミモチ(L. lucidum)の果実を基原とする。葉には、解熱や鎮痛の薬効がある他、湿疹やかぶれに入浴料とする。


ザクロ(ザクロ科) Punica granatum
 
ザクロ
西南アジア原産の落葉小高木または低木。果実が橙赤色に熟し、厚い外果皮が裂けると赤い液果が見える。このルビー色の美しい肉質の皮に包まれた種子は甘酸っぱくておいしい。最近は女性ホルモン様作用が注目され、食品としての商品をよく見かける。薬用部位としては、樹皮、根皮、果皮を石榴皮(ザクロヒ)と呼び条虫などの腸内寄生虫の駆除薬として用いられた。成分はアルカロイドのペレチエリンの他、多量のタンニンを含有する。


ヒイラギ  
ヒイラギ(モクセイ科)
Osmanthus heterophyllus
本州、四国などの暖かい地方に分布する常緑小高木。邪鬼の侵入を防ぐとして庭木によく用いられる。秋から冬にかけて、同じモクセイ科のキンモクセイの花によく似た香りの強い白い花を付ける。節分ではこの木を玄関に挿し、邪鬼を防ぐ風習がある。我が家では、昔からイワシの頭を刺したヒイラギの枝を玄関挿す。薬用としての使用例はない。


フユイチゴ(バラ科)
Rubus buergeri
 
フユイチゴ
日本〜朝鮮半島原産の常緑つる性小低木。キイチゴ属で、ラズベリー、ブラックベリー、ナワシロイチゴ、クサイチゴ、モミジイチゴなどと同じ仲間。多くの木イチゴが夏に果実をつけるが、本植物は冬に赤い果実をつけることが名前の由来。寒苺(カンイチゴ)とも言われる。口に入れると爽やかな酸味がひろがる。薬用には使用されないが、冬の薬用植物園を楽しませてくれる植物である。


テッピセッコク  
テッピセッコク(ラン科) Dendrobium officinale 温室
セッコク属の仲間は900種類を超え、一般にデンドロビウムという名前で切り花や鉢植えが園芸植物として売られている。薬用部位は茎で、石斛(セッコク)と呼ばれ、滋養強壮に用いられる。ワシントン条約で規制されている生薬であり、栽培品の輸入にも手間がかかる。一方、中国では非常によく使用され、テッピセッコク(鉄皮石斛)がコウキセッコクD. nobileの何倍もの高値で取引されている。成分はアルカロイドのデンドロビンなど。


2011年2月15日掲載




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