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教育研究施設

薬用植物園

Vol.9

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

キク  
キク(キク科)
Chrysanthemum morifolium (Dendranthema morifolium)
中国原産の多年生草本。薬用部位は頭花(キクの花は一輪の大きな花ではなく、小花が多数集まったもの。これらの小花をまとめて頭花と呼ぶ)で、菊花(キクカ)と呼び清熱薬とし釣藤散などの漢方薬に配合する。菊花茶としても流通しており、夏の暑い日に爽やかな味のお茶はおいしいだけでなく、体の余分な熱を取ってくれる。成分はボルネオールなどの精油とルテオリンなどのフラボノイド。


キクタニギク(キク科)
Dendranthema boreale
 
キクタニギク
日本、朝鮮半島原産の多年生草本で、茎は直立して60〜100cm。黄金色の頭花が泡のように密集していることからアワコガネギクの別名がある。キクタニは京都・東山の菊谷という地名だが、西は九州北部、北は岩手まで分布する。花を油に漬けて、火傷や切り傷に用いたことから油菊の別名もある。この別名はシマカンギク(Dendranthema indicum)にも使われる。


イソギク  
イソギク(キク科) Dendranthema pacificum
日本原産の多年生草本で、千葉県から静岡県の太平洋岸の崖に自生する。草丈は30〜40cm。10〜11月に黄金色の頭花を茎頂に密集してつく。晩秋の花として観賞用に花壇などに植栽される。薬用植物園でも花の少ない時期に花の黄金色と葉表面の緑色そして葉裏面の銀白色(T字状毛が密生している)のコントラストがすばらしい。しかし、現在のところ薬用植物としての使用はない。


ツワブキ(キク科)
Farfugium japonicum
 
ツワブキ
日本原産の常緑多年生草本。ツヤ(光沢)のある葉が蕗(フキ)の葉に似ており、同じキク科のフキと区別した。フキは“拭き葉”でトイレットペーパーなど紙の代用としたことに由来する。薬用部位は根でたく吾(タクゴ)と呼び、下痢や胃腸薬などに利用される。また、生葉や茎を手で揉んで、切り傷、虫さされ、しもやけなどに利用される。湿疹には浴剤として使用。含有成分にピロリチジンアルカロイドがあり、連用や一度に大量摂取することを避けるべきである。


サフラン  
サフラン(アヤメ科)
Crocus sativus
地中海沿岸、中東原産の多年生球根植物。10〜11月に淡紫色の6弁花を咲かせ、黄色の3本のおしべと柱頭が3つに分枝した橙赤色の1本のめしべが美しい。薬用部位は柱頭でサフランと呼び、中将湯や実母散などの婦人薬に配合される。その他、食品としても使用される。サフランライスやパエリアなどの黄色はサフランの含有成分であるクロシン。日本では大分県竹田市で栽培される。


キササゲ(ノウゼンカズラ科)
Catalpa ovata

 
キササゲ
中国原産の落葉高木で大きなものでは高さ10mにもなる。7月頃にロート型の大きな淡黄色の花を咲かせる(斑点は暗紫色)。秋にはマメ科のササゲに似た細長い果実をつける(写真)。ほとんどの木が落葉した時期に植物園で空を見上げるとキササゲの果実がよく目立つ。薬用部位は果実でキササゲと呼び(梓実(シジツ)とも言う)、利尿薬などに利用する代表的な民間薬。含有成分はイリドイド配糖体のカタルポシド。


インドジャボク  
インドジャボク(キョウチクトウ科)有毒 温室
Rauwolfia serpentine
熱帯アジア原産の常緑低木で、温室では1年を通じて開花がみられる。写真は果実。和名の「印度蛇木」は、根が蛇に似ているという説と蛇に咬まれたときの薬という説がある。薬用部位の根はラウオルフィアと呼び、医薬品であるインドールアルカロイドのレセルピン(高血圧の治療薬)とアジマリン(不整脈の治療薬)の抽出原料として重要である(現在、多くの新薬が開発され両医薬品の使用頻度は減少)。


2011年1月19日掲載




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