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教育研究施設

薬用植物園

Vol.8

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。写真をクリックすると大きく表示されます。

イヌサフラン  
イヌサフラン(ユリ科)有毒
Colchicum autumnale
ヨーロッパ、北アフリカ原産の球根植物で、湿った草原に群生する。夏には地上部が枯れて休眠する冬緑型多年生草本。花の少なくなった時期に美しい花を咲かせるため、園芸植物として人気がある。薬用部位は種子または根で、コルヒクム子、コルヒクム根と呼び痛風鎮痛薬とされるが、毒性が強いため民間での使用は避けるべきである。成分はアルカロイドのコルヒチンで、植物染色体倍加ホルモンとして品種改良などに利用される。サフランはアヤメ科の植物であり本植物とは全く異なる。


リンドウ(リンドウ科)
Gentiana scabra var.buergeri
 
リンドウ
日本原産の多年生草本で、山地や丘陵地に生える。草丈は20〜60cm。秋を彩る日本の代表的な花であるのに秋の七草には読まれなかったことが不思議である。薬用部位は根および根茎で竜胆(リュウタン)と呼び健胃薬とされる(現在の日本薬局方では中国原産のトウリンドウGentiana scabraを基原とする)他、竜胆瀉肝湯や疎経活血湯などの漢方薬に配合される。このリュウタンが転じてリンドウという名になった。苦い薬の代表で、センブリもリンドウの仲間。成分は苦味配糖体のゲンチオピクロシド。


オケラ  
オケラ(キク科)
Atractylodes japonica
日本、朝鮮半島、中国東北部原産の多年生草本で、草丈は30〜60cm。9〜10月に枝の頂に白色または紅色の頭花を付ける。薬用部位は根茎で白朮(ビャクジュツ)と呼び、独特の香りを有する生薬で利尿作用や健胃作用がある。漢方薬には、水毒を除く生薬として五苓散などに配合される。また、正月に無病息災を祈って飲まれる屠蘇散の主薬でもある。京都の八坂神社の「おけら参り(朮祭)」は、かがり火にオケラが加えられる。香りの成分は精油のアトラクチロン。


アケビ(アケビ科) Akebia quinata
 
アケビ
日本、朝鮮半島、中国原産で山野に生える落葉つる性植物。秋には、7〜10cmの楕円形の果実が紫色に熟し、やがて縦に割ける。果肉は甘く食用とする。東北地方では、甘味のある果肉を除き、ひき肉などを詰めて炒めたり煮込んだりして果皮を食用とする。苦味があり大人の味である。薬用部位は茎で木通(モクツウ)と呼び利尿、通経、排膿薬として、消風散や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などに配合される。成分はアケボシドなどのサポニン類。


クロバナヒキオコシ  
クロバナヒキオコシ(シソ科)
Isodon trichocarpa
日当たりの良い山地に生える日本原産の多年生草本。草丈は50〜150cm。茎の先にまばらな集散花序をつける。花冠は濃紫色。薬用部位は開花時の全草で、延命草(エンメイソウ)と呼び、健胃薬として用いられる(ヒキオコシ Isodon japonicaも同様に使用される)。昔、弘法大師が腹痛で倒れている人にこの植物の汁を飲ませたたら、起き上がり旅を続けたことから和名が付けられた。しかし、あまりにもの苦さに驚いたのかもしれない・・・。成分は、苦味成分のエンメイン。


ゴシュユ(ミカン科) 
Euodia ruticarpa

 
ゴシュユ
東部ヒマラヤから中国が原産の落葉小高木で大きなものでは高さ10mにもなる。薬用部位は未熟果で呉茱萸(ゴシュユ)と呼び、冷え症に対する薬として呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などに配合される。日本には18世紀に渡来し、和名をニセゴシュユと呼ぶことがあるが、本植物が正規品とされる。また、呉茱萸とは呉の地(現在の江蘇省)から産出される茱萸が良品であったため。香りが強く、味は大変辛い。成分はアルカロイドのエボジアミン。もう一つの基原植物であるホンゴシュユはEuodia officinalis


サラシナショウマ  
サラシナショウマ(キンポウゲ科)
Cimicifuga simplex
日本、朝鮮半島、中国原産の多年生草本で大きいものでは草丈が1.5mにもなる。花が少なくなる10月後半からブラシ様の白色穂状花が咲く。近畿地方では伊吹山に群生が見られる。薬用部位は根茎で升麻(ショウマ)と呼び、消炎、解熱、止血などを目的に補中益気湯や乙字湯などの重要漢方薬に配合される。また、女性の更年期諸症状を軽減する目的で人気のある西洋ハーブのブラックコホシュは北米原産のアメリカショウマCimicifuga racemosaの根茎である。


2010年12月6日掲載




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