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教育研究施設

薬用植物園

Vol.7

花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。 写真をクリックすると大きく表示されます。

ヒガンバナ  
ヒガンバナ(ヒガンバナ科) 有毒
Lycoris radiata
中国の長江流域に多く分布する球根植物で冬緑型多年生草本。夏に休眠し、秋に地中から花茎を伸ばし開花する。鱗茎を石蒜(セキサン)と呼び、催吐薬や去痰薬などの原料に用いられた。民間的には、むくみをとるために鱗茎をすり潰して足の裏に貼る。全草特に鱗茎に毒性のアルカロイドであるリコリンを含む。救荒植物として弥生時代に持ち込まれ水田の周りに植栽されたとされるが、リコリンを含むので水でよくさらしてデンプンをとる。写真左はシロバナマンジュシャゲ(Lycoris albiflora)。


アイ(タデ科)
Persicaria tinctoria
 
アイ
東南アジア原産の一年生草本で、草丈は50〜70cm。江戸時代から明治時代中期まで盛んだった藍染は、このアイの生葉を刻み、発酵させて加工した藍玉を用いた。これは葉に含まれるindicanが加水分解および酸化をうけて青色染料のindigoとなる。また、薬用としては、果実を藍実(ランジツ)と呼び、解熱薬や解毒薬とする。


アサガオ  
アサガオ(ヒルガオ科)有毒
Pharbitis nill
熱帯アジア原産のつる性一年生草本。平安時代に中国より薬用として渡来、当時は「けんごし」と呼ばれていた。江戸時代に原種の青色花から多彩な花や変わりものが日本独特の花として育成された。薬用部位は種子で牽牛子(ケンゴシ)と呼び、強力な下剤として使用される。本園では有毒植物として取り扱っている。小さな子供が誤って種子を口にすると激しい下痢にみまわれる。成分は樹脂配糖体のファルビチン。


ナツメ(クロウメモドキ科) Zizyphus jujuba var.inermis
 
ナツメ
中国東北部原産の落葉高木。初夏に芽を出すのでナツメ(夏芽)と名付けられたという説がある。6〜7月ごろ淡黄色の小花を咲かせ、9〜10月に楕円球状の果実をつける。未熟な緑色をした果実も生食されるが、暗紅色に熟した果実を干したものが、生薬の大棗(タイソウ)で、滋養強壮、免疫力増強、精神安定などの目的に様々な漢方薬に配合される。また、生の葉を口に入れて噛み、その後、砂糖を口に入れても甘味を感じなくなる。


ホテイアオイ  
ホテイアオイ(ミズアオイ科)
Eichhornia crassipes
南アメリカ原産の多年生の浮遊植物。英名はwater hyacinth(ウォーター・ヒアシンス)。和名は七福神の布袋さまの腹のように膨れた葉柄に由来する。また、水生植物では唯一、世界十大害草として、blue devil(青い悪魔)の名で恐れられている。中国では、全草または根を水葫蘆(スイコロ)と呼び、清熱(熱をとる)および解毒薬として用いられる。


フジバカマ(キク科)
Eupatorium fortunei

 
フジバカマ
日本〜朝鮮半島に分布する多年生草本で、草丈は1〜1.5m。秋の七草のひとつで、「藤袴」は秋の季語となっている。生の葉や茎には芳香は無いが、乾燥させるとクマリンの香り(桜餅の香りと同じ)があり、浴湯料などにされる。薬用部位は全草で、蘭草(ランソウ)と呼び、利尿薬や糖尿病予防などに使用される。日本には、同属(Eupatorium)の植物として、ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、サワヒヨドリが自生している。


トウゴマ  
トウゴマ(トウダイグサ科)有毒 Ricinus communis
北アフリカ〜インド、小アジア原産の一年生草本で、油脂用植物として広く植栽される。古代エジプトの世界最古の医学文献であるEbers Papyrusに使用法が記されている。薬用部位は種子を圧搾して得られた脂肪油で、蓖麻子油(ヒマシ油)と呼ばれる。瀉下剤としては20〜30gを内服する。また、浣腸剤としても使用される。しかしながら、毒性のタンパク質リシンや毒性アルカロイドのリシニンを含むため、民間での使用は避けるべきである。現在は、工業用の油として多用される様である。


2010年11月1日掲載




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