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教育研究施設

薬用植物園

Vol.3

4月からは、多くの薬用植物が花を咲かせ始めます。花の拡大写真で、薬用植物を紹介していきます。
写真をクリックすると大きく表示されます。


ボリジ  
ボリジ(ムラサキ科)
Borago officinalis
地中海沿岸地方原産の一年生草本。瑠璃色の花で、葉がチシャ(レタスなど)に似ていることからルリジサとも言う。星型をした美しい青い花は、砂糖漬けなどにして、ケーキなどの飾りに使用される。また、生でサラダの彩りに使われる。その種子油はアロマテラピーのキャリアオイルとしても使用されている。乾燥させた葉と花は,胃液分泌促進作用を期待し、茶剤とするが、ピロリチジンアルカロイドを含むため、常用は避けるべきである。


ポドフィルム(メギ科)有毒
Podophyllum peltatum
 
ポドフィルム
北アメリカ東部原産の多年生草本。東アジアにヒマラヤハッカクレンが隔離分布する。英名はMayappleで、果実は多肉質で黄色に熟し、食用となるが、その他の部位は有毒である。根茎をポドフィルム根と呼び、瀉下薬とする。成分はポドフィロトキシン(有毒成分)で、これを原料に抗癌剤のエトポシドが化学合成される。 エトポシドは肺小細胞癌、悪性リンパ腫、子宮頸癌に用いられている。


マリアザミ  
マリアアザミ(キク科)
Silybum marianim
南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産の二年生草本。オオアザミとも言う。草丈は約1mで、葉は大きく表面に美しい乳白色の斑点が現れる。欧米では、種子のエタノール抽出物をシリマリンと呼び、肝炎の治療に用いられる。さらに抗酸化作用も強い。日本では、サプリメント原料に使用される。成分はシリビンなどのフラボノリグナン類。


ホオノキ(モクレン科)
Magnolia obovata
 
ホオノキ
日本および中国原産の落葉高木。根元の直径1m、高さ20mもの大木もある。花も巨大で美しい。その大きな葉に味噌をうすく塗り焼いた「ほお葉味噌」は奥飛騨の名物である。一度食すると、葉の香りが味噌に移った素朴な味が忘れられない。薬用部位は、樹皮で、厚朴(コウボク)と呼ばれ、鎮咳、去痰、健胃の目的で、半夏厚朴湯や平胃散などの漢方薬に配合される。


アカヤジオウ  
アカヤジオウ(ゴマノハグサ科)
Rehmannia glutinosa var. purpurea
中国原産の多年生草本。一般の方には、馴染みの薄い植物であるが、漢方薬にとっては重要な植物である。薬用部位は肥大した根で、地黄(ジオウ)と呼ぶ。また、この地黄を黄酒に一夜漬け込み、蒸篭で蒸して天日で乾かす。この作業を数回繰り返して作ったものを熟地黄(ジュクジオウ)と呼ぶ。 老人性疾患による前立腺肥大や腰痛などに用いられる八味地黄丸などに配合される。


クリンソウ(サクラソウ科)
Primula japonica
 
クリンソウ
日本原産の多年生草本。日本産のサクラソウの中で、一番大きく、女王と称される。花は下の方から段になって次々と咲き、その姿が五重塔などの九輪に似ていることが和名の由来。四国、本州以北の高原の湿地に群生する。薬用部位は全草で、九輪草(クリンソウ)と呼び、鎮咳、去痰を目的に使用される。


カキドオシ  
カキドオシ(シソ科)
Glechoma hederacea subsp. grandis
日本、東アジア、シベリア原産の多年生草本。花期には茎は立っているが、その後はつる状に地上を這いながら伸び、「垣根を通す」が和名の由来。よく似た近縁の亜種がヨーロッパとアメリカに分布する。また、全草に芳香を有する。薬用部位は、花期の地上部で、連銭草(レンセンソウ)、積雪草(セキセツソウ)と呼び、虚弱児、糖尿病、胆石症などに対して健康茶として用いられる。


シャクヤク(ボタン科)
Paeonia lactiflora
 
シャクヤク
中国東北部原産の多年生草本。日本へは、平安時代に渡来したとされる。その美しい大輪の花は、美人の形容にも使われる(立てばシャクヤク・・・)。赤、白、赤紫と品種も多く、一重(原種)も八重咲きもある。薬用部位は根で、芍薬(シャクヤク)と呼び、鎮痙、鎮痛などの目的で、多くの漢方薬に配合される。こむら返りなどに用いる芍薬甘草湯や婦人の不定愁訴に用いられる当帰芍薬散などは特に有名である。


2010年6月18日掲載




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