薬学紹介

薬学紹介 受験生向け研究室紹介

臨床薬学教育研究センター

教授 岩永 一範 (博士(薬学))

岩永 一範 (博士(薬学))

担当科目 医療薬剤学1、医療薬剤学2、 臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学総合演習、特別演習・実習
所属学会 日本薬学会、日本薬物動態学会、日本薬剤学会、日本医療薬学会、日本DDS学会、American Association of Pharmaceutical Scientist
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教授 中村 任 (博士(薬学))

中村 任

担当科目 医療薬剤学1、医療薬剤学2、 臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学入門
所属学会 日本薬学会、日本癌学会、日本医療薬学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、日本薬物動態学会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、American Society for Clinical Pharmacology and Therapeutics (ASCPT)
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教授 中村 敏明 (医学博士)

中村 敏明

担当科目 医薬品情報学、医療統計学、医療薬剤学1、医療薬剤学2、臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学入門、早期体験学習2、薬学総合演習
所属学会 日本薬学会、日本医療薬学会、日本臨床薬理学会、日本医薬品情報学会、日本薬剤疫学会、レギュラトリーサイエンス学会、日本社会薬学会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会
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准教授 角山 香織 (博士(薬学))

角山 香織

担当科目 医薬品情報学、医療統計学、臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学入門、早期体験学習2、薬学総合演習
所属学会 日本薬学会、日本医療薬学会、日本薬剤疫学会、日本医薬品情報学会、日本薬学教育学会、日本社会薬学会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会
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准教授 細畑 圭子 (博士(薬学))

細畑 圭子

担当科目 臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学総合演習
所属学会 日本薬学会、日本医療薬学会、日本臨床薬理学会、日本腎臓学会、日本毒性学会、日本TDM学会、日本薬物動態学会、American Society for Clinical Pharmacology and Therapeutics (ASCPT)、American Society of Nephrology (ASN)、International Association of Therapeutic Drug Monitoring and Clinical Toxicology (IATDMCT)
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講師 内田 まやこ (博士(薬学))

内田 まやこ

担当科目 医薬品情報学、臨床導入学習1、臨床導入学習2、薬学総合演習
所属学会 日本医療薬学会、日本緩和医療薬学会、日本緩和医療学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、日本血液学会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会
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配属学生

【大学院生】   0名
【学部学生】   6年次生:0名、5年次生:8名

研究概要

 これからの薬剤師には、高い生命倫理観と薬学専門知識に基づく薬物療法の実践に積極的に関与し、臨床現場の問題点を解決する研究的思考能力が求められています。臨床薬学教育研究センターでは、最先端の教育手法や評価方法の研究や常に臨床との繋がりを意識した臨床研究を通して、質の高い薬剤師教育を提供することを目指しています。

研究内容

(1)服用メディアによる薬物の消化管吸収変動機構の解析

 医薬品は,水またはお湯での服用が推奨されていますが、日本では緑茶やジュースをはじめとする様々な飲みものがペットボトル飲料や缶飲料として容易に手に入るため、これらの飲料で医薬品を服用する機会も多いと予想されます。特に高齢者では緑茶が、小児では薬の苦みをなくすためにフルーツジュースなどが使用されているケースが多いと思われます.これまでに、認知症治療薬やアレルギー治療薬の一部を緑茶や紅茶と混合すると消化管吸収性が顕著に低下する可能性があることを明らかにしました。さらに、アレルギー治療薬フェキソフェナジン塩酸塩は、茶葉飲料以外にリンゴジュースやオレンジジュース等のフルーツジュースとの混合により消化管吸収性が低下する可能性を示しました。しかし,これらの現象が生じる詳細なメカニズムについては明らかではありません。現在、より安全な薬物療法を行うため、各飲料中の物質と医薬品間に生じる相互作用について詳細な検討を進めています。このような薬物-服用メディア相互作用の組み合わせは無数にあることから、様々なケースに触れることの多い病院や薬局からの情報に基づいた研究を展開することにより、相互作用回避のための注意喚起、啓発活動に繋げていければと考えています。


(2)がん化学療法における薬効・副作用のバイオマーカー探索と臨床評価

 抗がん剤の薬効や副作用は、薬物血中濃度との関連性が強く示唆されており、その発現予測を行う上で薬物体内動態の規定因子の解析が必須となります。また、薬物体内動態は主に代謝酵素やトランスポーターによって規定され、それらをコードする遺伝子には多数の遺伝的多型が存在します。これまでに私たちは、がん化学療法を施行された患者を対象に遺伝子多型解析を行い、抗がん剤の体内動態や薬効・副作用の発現が種々の薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの遺伝子多型と関連することを明らかにしてきました。一方で、がん患者臨床検体を用いて定量的プロテオーム解析を行い、同定されたタンパク質をがん治療のための創薬ターゲットあるいは診断バイオマーカーの候補とし、その発現変動の要因解明を行っています。さらに、がん化学療法の薬効・副作用の個体差を規定する因子として生体内金属元素(バイオメタル)に着目して、シスプラチンなどの白金製剤である抗がん剤投与後のバイオメタルの生体内挙動についても解析を進めています。
 多様なバイオマーカーを探索・評価し、より効果的で安全ながん化学療法の実施が可能となるように研究成果を臨床に還元することを目指しています。


(3)医薬品情報学的アプローチによる薬物療法のリスク最小化研究

 薬物療法において、時に望ましくない反応が起きることがある。これを可能な限り回避するためには、安全性の高い医薬品の開発に加え、有効性・安全性を高めた使い方をする必要がある。そのためには、市販後の日常診療から得られる様々な情報をデータベース化し、解析することでリスク情報を抽出し、安全対策に役立てることが有用と考える。そのために、以下の手順に従い解析研究ならびに臨床における実証研究を行う。

  大規模なデータベースを用いて、有害事象のシグナルを抽出する。
  有害事象の発現要因ならびに医薬品との関連性を調査し、検証する。
  検証の結果から、医薬品との関連性が明らかとされたリスクに関してリスク最小化のための対策を立案し、臨床にフィードバックする。
  臨床における対策の有用性を評価し、改善点があれば改善策を検討する。
  実践者が患者である場合は、最適な情報提供方法を研究する。
  患者への情報提供並びに指導により、適切な行動がとれているかを検証する。
  総合評価

 上記と並行して、超高齢社会が抱える問題に対して、実際にコミュニティに出て問題を抽出し、地域の様々な職種と協力し合って解決策を模索する中から、これからの薬剤師がどのように関わるべきかについて研究する。


(4)医療データベースを用いた医薬品の安全性評価

 医療現場では日々様々な薬物療法が行われており、医薬品の使用状況や有害事象の発現状況など種々雑多な情報が蓄積されています。そのような膨大な情報から、データマイニング手法を用いて、医薬品の安全性確保に有用な新たな情報を創出することを目指して研究を実施しています。これまで、臨床上重篤で特に注意を要する有害事象のリスクファクターの探索や、同効薬間での発現傾向の比較検討を通して医薬品の安全性評価に取り組んできました。また、小児、高齢者や各種臓器障害合併患者における有害事象、あるいは生命を脅かすまでには至らないものの患者さんのQOLの著しい低下を招くような有害事象に関しては、まだまだ情報が不足しています。そのような有害事象にも注目し、例えば小児における抗精神病薬の有害事象プロファイルについて新たな情報を発信してきました。今後は引き続き医薬品と有害事象との関連性、発現時期の把握やリスクファクターの探索といった観点でのデータ解析を行うとともに、得られた情報を活用できる形に加工して、実際に医療現場で医療者や患者さんに情報提供を行い、副作用の早期発見、早期対応につなげたいと考えています。


(5)薬物有害反応の軽減を目指した臨床薬理学研究

 薬物には臨床開発時あるいは一般臨床での使用中に重篤な有害反応をきたし、開発中止や販売中止になるものがあります。このような薬物を早期に見出し、より高い安全性を確保することを目指したトキシコゲノミクス研究および臨床薬理学研究が大きな注目を集めています。このような背景のもと、より有効で安全な合理的薬物治療へのエビデンスを構築すべく基礎研究で見出した成果を臨床で展開しています。


(6)がん化学療法における副作用対策

 抗がん剤による治療は、高い効果が期待できる一方、その副作用対策を含む安全管理は薬剤師が担う基本業務となっています。例えば、悪心・嘔吐は、化学療法に伴う副作用で患者が最も辛いと感じる症状の一つで、ときに治療継続を妨げる要因となります。特に、造血器腫瘍に対する化学療法は治癒を目指す極めて重要な治療法ですが、抗がん剤を連日大量投与するレジメンが多く、催吐性が極めて高くなります。悪心・嘔吐対策は急務でしたが、新規のNK1受容体拮抗薬アプレピタントが保険承認され、制吐効果の改善が期待されました。しかし、造血器腫瘍領域におけるアプレピタントの効果や投与方法に関する報告が十分ではなく、薬物相互作用も懸念されました。この様な背景から、多種多様なレジメン毎に最適と考えられる制吐薬と投与スケジュールを血液専門医に提案し、有用性と安全性を検証してきました。今後もこのような支持療法の臨床研究を継続し発展させていきたいと考えています。この一連の研究は学生が臨床現場で発生する課題を解決に導くスキルを身に付け、将来薬剤師として医療スタッフと連携し、より専門性の高いチーム医療を展開していくうえでも有用と思われます。研究を通して、薬剤師の貢献が大きいことを、薬学的視点から示していきたいと考えています。


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