薬学紹介

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生体分析学研究室

教授 天滿 敬 (博士(薬学))

担当科目 分析化学1(1年)、生物無機化学(2年)、
分析化学実習(2年)、特別演習・実習(4、5、6年)
所属学会
および
社会活動
日本薬学会、日本核医学会、日本分子イメージング学会、
日本癌学会、日本脳循環代謝学会、 日本分析化学会、
日本中性子捕捉療法学会、日本脳神経核医学研究会、Society of Nuclear Medicine、

PET 短寿命核種の規制にかかる小委員会

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講師 平田 雅彦 (博士(薬学))

担当科目 化学(1年)、化学演習(1年)、
物理放射化学実習(2年)、 放射化学(3年)、
特別演習・実習(4、5、6年)
所属学会
および
社会活動
日本薬学会、日本核医学会、分子イメージング学会
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助教 近藤 直哉 (博士(薬科学))

担当科目 分析化学実習(2年)、特別演習・実習(4、5、6年)
所属学会
および
社会活動
日本薬学会、日本核医学会、日本分子イメージング学会、
Society of Nuclear Medicine
e-mail

研究テーマ

・PET・SPECT画像診断用放射性医薬品の開発に関する研究
・MRI・光イメージングのための分子プローブ開発に関する研究
・がんの早期質的診断並びに治療効果判定に関する分子イメージング研究
・中性子捕捉療法によるがんの治療のための薬剤開発研究
・病態モデル動物を用いた各種疾患の診断・治療法開発に関する研究

研究概要

 生体内で起こる様々な生命現象を分子・細胞レベルで捉えて、体外から画像として観察する生体分子イメージングは、病気を早期に正確に発見することができる新しい診断法です。
私たちは、新しいタイプの薬剤を開発することで生体分子イメージングを基盤とした効率的な診断・治療の一体化を目指して研究を行っています。

配属学生

【大学院生】   1名
【学部学生】   6年次生:6名、5年次生:11名、4年次生:19名

キーワード

 分子イメージング、放射性医薬品、核医学、セラノスティクス、中性子捕捉療法

研究内容

 生体内で起こる様々な生命現象を分子・細胞レベルで捉えて、体外からその量や働きを画像として観察する生体分子イメージングは、病気を早期に正確に捉えることができる新しい診断法です。私たちは、疾患の効率的な診断・治療の一体化を目指した新しい分子イメージング薬剤開発、生体分子イメージングを用いた病態の画像解析研究、に取り組んでいます。

(1)疾患の効率的な診断・治療の一体化を目指した新しい分子イメージング薬剤開発

 生体分子イメージングに基づく画像診断では、疾患が内包する様々な性質の、非侵襲的かつ全身を対象とした評価を可能とします。本法は診断だけでなく、疾患の多様な個性に見合った治療計画の策定、正確な治療効果の予測や判定など、個々の患者に対する個別化医療への貢献が期待されています。
 私たちの研究室では、がん組織で発現が増加する上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)(図1)、腫瘍血管新生因子受容体チロシンキナーゼ(VEGFR-TK)、マトリックスメタロプロテアーゼ(膜結合型MMP、MT1-MMP)(図2)などを標的分子とする、がんの画像診断用分子イメージングプローブの開発研究を行っています。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や不安定性動脈硬化プラークの生体分子イメージングを目的として、分泌型MMPサブタイプであるMMP-9やMMP-12を標的分子とする核医学画像診断用分子イメージングプローブの開発研究を行っています(図3)。さらに最近では、高い汎用性を特長とする蛍光イメージングと高い定量性を特長とするPETイメージングを同一分子により実現する新規蛍光/PET用分子イメージング薬剤の開発に成功するなど、先端的な研究を推進しています(図4)

 
図1
(左)赤いところが移植がん組織。腫瘍細胞に高発現したEGFR-TKに[125I]PYKが選択的に集積し、がん組織を明瞭に描出した。
(右)がん種の中にはゲフィチニブ(商品名イレッサ)が良く効くものと、効かないものがある。[125I]PYKはイレッサがよく効くがん種に集積し、効かないがん種には集まらないので、イレッサによる治療の有効性を調べることができる。
 
図2
(左)MT1-MMP標的オフオンスイッチング型ミセルプローブの概念図。本プローブはMT1-MMP発現がん細胞内に移行して始めて蛍光性を獲得する。
(右)本プローブを用いた担がんマウスの蛍光イメージング結果。移植がん組織に高い蛍光シグナルを認めた。
 
図3
(左)COPDの質的イメージングを目的としたPeptidomimeticプローブの概念図
(右)本プローブを用いたEx vivo PET画像。COPDモデル動物(CS)の摘出肺に高い放射能集積を認めた。
 
図4
同一分子を用いた蛍光/PETイメージングにより、MT1-MMP活性の高いがん種の選択的な描出に成功した。
(2)生体分子イメージングを用いた病態の画像解析研究

 脳の活動はグルコースの好気的解糖系から得られるエネルギーを源としていることから、脳の酸素代謝率は脳活動を直接的に反映する重要な指標となります。脳低還流状態が長期間続くことで認知機能低下につながる血管性認知症という病態が知られていましたが、唯一の病態モデル動物であるマウスにおいて酸素代謝率を測定する手法がなく、本病態における脳活動は不明でした。そこで私たちはマウスで酸素代謝率の定量を可能とするPETイメージング法を世界で初めて開発し、病態モデルマウスの酸素代謝機能がひと月かけて次第に低下していく様子を定量画像化することに成功しました(図5)

図5
(上)開発したマウスへの15O-gas自発吸入システムの概要図
(下)両側総頚動脈狭窄(BCAS)マウスの代謝パラメータの術後経日変化。脳血流量が回復する一方で、脳酸素代謝率が低下していくことが明らかとなった。

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